土工

2-1 適用範囲
土工工事に適用する。本章に特に定めのない事項については「8 無筋および鉄筋コンクリー
ト工」によるものとする。
2-2 施工計画書
土工の施工にあたっては、次の事項を記載した施工計画書をあらかじめ届出て、承諾を受ける
こと。
(1) 作業工程
(2) 施工体制
(3) 主要材料(盛土材料等)
(4) 施工方法(土工計画等)
(5) 機械器具類
(6) 盛土の試験施工方法
(7) 品質管理計画(仕上り状態の検査、確認方法)
(8) その他(切盛境界および片切片盛の場合の施工方法等)
2-3 施工管理者
土工の施工にあたっては、土工に関する専門的知識と、2年以上の土工の実務経験を有する施工
管理者を現場に常駐させること。
2-4 盛土
2-4-1 材料
(1) 盛土材料
ア) 盛土材料は、原則として締固めが容易な良質な材料を用いること。
イ) 盛土材料は、原則として表2-1に示す土質試験の結果を付すこと。

表2-1 盛土材の土質試験項目

項 目 方 法 備 考
土の含水比試験 JIS A 1203 自然状態(地山)
土の粒度試験 JIS A 1204
土の液性限界・塑性限界試験 JIS A 1205
土の密度試験
JIS A 1214
JGS 1611
JGS 1614他
自然状態(地山)
突固めによる土の締固め試験 JIS A 1210 呼び名 DまたはE
土粒子の密度試験 JIS A 1202
ウ) 植生工を行う場合ののり面付近に用いる土は、植生に適した材料を用いること。
エ) 発生バラストからの再生砕石を使用する場合の品質は、付属書2-1によること。
(2) 排水ブランケット
ア) 排水ブランケットには、砂利、粗砂等、透水性の良い材料を用いること。
イ) フィルター材は、盛土材料の細粒分の流出を防止でき、かつ適度の透水性および強度を有
する不織布等を用いること。
(3) 層厚管理材
層厚管理材は、長期耐久性を有する合成高分子材のジオテキスタイルを用いること。層厚管理
材の材料物性は表2-2によること。
表2-2 層厚管理材の材料物性
項 目
ネット・グリッド系 不 織 布 系
必要物性値 備 考 必要物性値 備 考
材質 合成高分子材 合成高分子材
降伏点強度 2kN/m以上 測定温度21℃±2℃ 5kN/m以上
伸び率 8%以上 15%以上 拘束圧49kN/m2時
透水係数(cm/sec) -
面内5×10-1以上
垂直1×10-2以上
拘束圧49kN/m2時
最大強度 2kN/m以上 5kN/m以上 測定温度21℃±2℃
厚さ保持率 - 50%以上 拘束圧49kN/m2時
厚さ - 1.5mm以上 JIS L 1085に準じる
目合い 縦・横15~30mm -
軟化点 100℃以上 100℃以上
脆化温度 -20℃以下 -20℃以下

2-4-2 盛土施工地盤の処理

(1) 盛土の施工地盤は、あらかじめ草木の伐開、除根を行い、雑物、雪氷など盛土にとって有害
なものを取除くこと。
(2) 地盤に著しい滞水あるいは湧水のある場合は、適当な排水処理を行うこと。
(3) 在来線に腹付けして盛土を施工する場合は、施工方法、施工時期についてあらかじめ承諾を
受けること。
(4) 施工地盤が軟弱で設計図書どおりに施工が困難な場合は、その処理方法について監督員と協
議し、承諾を受けること。ただし、緊急を要する場合には、応急処置を施すとともに報告する
こと。
(5) 施工地盤が傾斜している場合は、盛土と地盤との密着を図るため、連続して段切を施工する
こと。
2-4-3 低盛土の場合の施工地盤
高さが3m未満の低盛土の場合は、施工地盤が「2-7 路床」の基準を満足することを確認するこ
と。
2-4-4 盛土の試験施工
盛土の施工にあたっては、あらかじめ試験施工を行い、所定の締固め程度が得られる作業基準
を設定し、承諾を受けること。ただし、土工量が小規模(5,000m3程度以下)で、かつ、良質な材
料を用いる場合は、承諾を受けたうえで試験盛土を本施工の一部として施工してもよい。
(注)1.試験施工には、現場で実際に使用する盛土材料および機械類を用いて試験を行うこと。
2.「作業基準」とは、土取場の掘削方法、施工機械の選定と組合せ、適正含水比の範囲、
まきだし方法と一層のまきだし厚さ、締固め回数と締固め速度などの作業基準をいう。
2-4-5 盛土の施工
(1) 盛土材料は、土質試験より得られた適正な含水比の範囲内で施工すること。
(2) 盛土の締固めにあたっては、盛土材料を一様に敷均し、盛土全体にわたって均等に締固める
ものとする。
(3) 層厚管理材は、転圧各層の仕上り面に、外側端をのり面に一致させて敷設すること。
なお、のり面付近に土羽土を用いる場合においても同様とする。
(4) 岩ずりを材料とする盛土においては、最大粒径は30cm程度とする。大きな岩塊は空隙を作ら
ないよう広く盛土中に分布させることとし、盛土上面より1m以内に混入させないこと。
(5) 降雨時等には、原則として盛土材料のまきだしや転圧作業は行わないこと。また、降雨時等
の後は、トラフィカビリティや材料の含水比などが作業に適した状態となった後に作業を開始
すること。
(6) 盛土部分を運搬路に使用する場合は、盛土を均一に締固めるため、運搬車両を盛土面一様に
通過させること。
(7) 盛土の施工にあたっては、盛土各層の表面に湛水が生じないよう適度の排水勾配を設けるこ
と。また、水の集中しやすい箇所には仮排水工を設けること。
(8) 構造物に隣接する狭あいな箇所の盛土の施工にあたっては、付属書2-2に示す締固め程度が
得られる方法によること。
2-4-6 盛土のり面付近の施工
(1) のり面付近の締固めは、土羽土を用いる場合も含め、盛土本体の締固めと同時にのり肩付近
まで、転圧すること。
(2) のり面は、盛土が所定の高さまで施工を終了した時点で、のり面全体を締固めること。
2-4-7 盛土の締固め程度
盛土の締固め程度は、付属書2-2に示す締固め程度(以下、管理基準値という)および締固め管
理方法に基づき、上部盛土は、K30値と締固め密度比の平均値および下限値、下部盛土は、締固め密
度比の平均値および下限値で管理すること。なお、試験方法はあらかじめ承諾を受けること。
(注) 1.平均値とは、仕上り面全体での平均値のことをいう。一つの施工管理断面の仕上り値
が管理基準値を下回っている場合でも、仕上り面全体での平均値が管理基準値以上であ
ればよい。
2.下限値とは、許容される最低限の仕上り値のことをいう。一つの施工管理断面の平
均値が所定の値以上の場合でも、下限値を下回っているものがあれば不合格とする。
2-4-8 盛土の締固め程度試験位置
盛土の締固め程度試験は、付属書2-2に示す管理位置で行うこと。
2-4-9 盛土の仕上り状態の確認
盛土の仕上り状態について、監督員の指示のある場合には、現地において施工確認を受けること。
2-4-10 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 土質試験成績書
(2) 材料、粒度分布品質証明書
(3) 透水試験または粒度試験成績書
(4) 層厚管理材試験成績書
(5) 現場の密度試験記録、土の締固め程度試験記録、平板載荷試験成績書、FWD試験記録
(6) 盛土(のり面を含む)の仕上り状態の検査記録、低盛土の場合の施工地盤の強度試験記録
(7) 六価クロム溶出試験(必要により)
2-4-11 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 施工地盤の処理状況
・ 滞水、湧水の処理
・ 軟弱地盤の処理
・ 腹付盛土、段切
・ 雪氷等の除雪
(2) 転圧方法、一層ごとの仕上がり検査状況
(3) 層厚管理材の敷設検査状況
(4) のり面付近の転圧検査状況
(5) 締固め程度の試験状況
(6) 低盛土の場合の施工地盤の強度試験状況
2-5 アプローチブロック
2-5-1 アプローチブロックの材料
アプローチブロックには、圧縮性が小さい粒度調整砕石等の良質な材料を用いること。
2-5-2 アプローチブロックの施工
アプローチブロックの施工は、「2-4 盛土」に準じて盛土本体の施工と同時に行うこと。一
層あたりの仕上がり厚さは15cm以下とし、転圧面を盛土と同じ高さとすること。
ただし、やむを得ず同時に施工できない場合は、施工方法について承諾を受けること。
2-5-3 アプローチブロックの締固め程度
アプローチブロックは、構造物との取付部で大きな沈下が生じると、軌道に及ぼす影響が大き
いため、通常の盛土よりも念入りに締固めを行うこと。締固め程度および締固め管理方法は付属
書2-2によること。また、締固め程度試験は、付属書2-2に示す上部盛土の位置で行うこと。
2-5-4 施工記録
「2-4 盛土」に準ずる。
2-5-5 工事写真
「2-4 盛土」に準ずるほか、次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) アプローチブロックの検査状況
2-6 切土および素地
2-6-1 切土および素地の施工
(1) のり面上およびのり肩付近の緩んだ岩塊、樹根および不安定な土塊等は取除くこと。
(2) 切土下部の掘削等では、のり面を崩壊させないよう留意すること。
(3) 切土が路床面(切土床付け面)に近づいた際には、地山を緩めたり泥化させたりしないよう留意すること。
(4) 施工中の降雨や湧水によって、切土のり面が表面浸食や崩壊を生ずる恐れのあるときは仮排
水を設けること。
(5) 土質の変化によりのり面勾配の変更を要すると認められる場合は、その処置について承諾を
受けること。
(6) 岩石の掘削に火薬を用いるときは、切土線外の岩石を緩めないこと。
(7) 切取った土を捨土する際には、捨土の大規模な流出、のり面崩壊などを生じさせない措置を
講ずること。
(8) 路盤排水層に使用する材料は、透水性が良く、路床土に対してフィルター効果のある砂等を
用いること。
2-6-2 切土が路床面に近づいた場合
切土が路床面に近づいたときは、地山の状態について現地において確認を受けること。その場
合、地山が砂質土等の場合は、土の粒度試験 (JIS A 1204)、土の液性限界試験(JIS A 1205)お
よび土の塑性限界試験(JIS A 1205)の土質試験を行い、その結果をすみやかに報告すること。
2-6-3 切土面の強度
切土が路床面に近づいたときに行う強度試験は、「2-7-2 路床面の強度」に準ずる。
2-6-4 切土面の強度試験位置
「2-7-3 路床面の強度試験位置」に準ずる。
2-6-5 切土面の仕上り状態
「2-7-4 路床面の仕上り状態」に準ずる。
2-6-6 切土面の仕上り状態の確認
「2-7-5 路床面の仕上り状態の確認」に準ずる。
2-6-7 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 切土(のり面を含む)の仕上り状態の検査記録
(2) 六価クロム溶出試験記録(必要により)
2-6-8 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 排水処理、排水工の敷設状況
(2) のり面に湧水がある場合の処置状況
(3) 切土下部の掘削等を行う場合の検査状況
(4) 施工基面付近の切土の検査状況
(5) 路床面に近づいた場合の各種試験状況
2-7 路床
2-7-1 路床部の施工
(1) 路床表面には、排水工の設置位置に向かって3%の横断排水勾配を設け、平滑に仕上げること。
(2) 路床表面より50㎝以内に玉石等がある場合は、それらを除去し、均一な支持条件となるよう
仕上げること。
(3) 寒冷地において、路床土が凍上しやすい土質の場合には、凍結深さまで凍結を起こしにくい材料で置き換えること。
2-7-2 路床面の強度
路床面における強度は、付属書2-3によること。
2-7-3 路床面の強度試験位置
路床面の強度試験は、付属書2-3に示す位置で行うこと。
2-7-4 路床面の仕上り状態の確認
路床面の仕上り状態について、監督員の指示のある場合には、現地において施工確認を受ける
こと。
2-7-5 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 路床面の仕上り状態の検査記録
(2) 路床面の強度試験記録
(3) 六価クロム溶出試験記録(必要により)
2-7-6 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 排水処理、排水工の敷設状況
(2) 路床面の強度試験状況
(注)路床とは、路盤を支持する機能を持つもので、施工基面から3mの深さの範囲内にある路盤お
よび排水層以外のものをいう。盛土においては上部盛土が、切土においては切土地盤が、素地
においては原地盤をいう。
2-8 路盤
2-8-1 コンクリート路盤
(1)路床面の確認
粒度調整砕石層の施工を開始する前に、以下について確認し、必要に応じて改善すること。
ア) 横断排水勾配が確保されていること。
イ) 路床面の排水が阻害されるような不陸のないこと。
(2)粒度調整砕石層の施工
ア) 材料は、均質性を確保するため十分混合したものを使用すること。
イ) 敷均しは、一層の仕上り厚さが15㎝以下とすること。
ウ) 締固め程度および締固め管理方法は付属書2-4によること。
エ) 構造物との取付け部および路肩部の締固めについても、ウ)で規定する締固め程度を満足で
きる方法によること。
オ) 敷均した材料は、必ずその日のうちに締固めること。
カ) 粒度調整砕石層を仕上げた後は、すみやかにプライムコートを施工すること。
(3) コンクリート路盤の仕上り状態について、監督員の指示のある場合には、現地において施工
確認を受けること。
2-8-2 アスファルト路盤
(1) 路床面の確認
「2-8-1 コンクリート路盤」による。
(2) 下部路盤(粒度調整砕石等)の施工
ア) 材料は、均質性を確保するため十分混合したものを使用すること。
イ) 敷均しは、一層の仕上り厚さが15㎝以下とすること。
ウ) 締固め程度および締固め管理方法は付属書2-4によること。また、締固め程度試験は、付
属書2-4に示す位置で行うこと。
エ) 構造物との取付け部および路肩部の締固めについても、ウ)で規定する締固め程度を満足で
きる方法によること。
オ) 敷均した材料は、必ずその日のうちに締固めること。
カ) 水硬性粒度調整鉄鋼スラグを用いる場合、転圧時は随時散水を行い、水和反応に必要な含
水比を保持すること。また、仕上り後は、凝固までの含水比保持と雨水の浸入を防止するた
めすみやかにプライムコートを均等に散布すること。
キ) 粒度調整鉄鋼スラグを用いる場合、仕上り後、上部路盤とのなじみのため、すみやかにプ
ライムコートを均等に散布すること。
ク) 排水層の施工は、一層仕上げとし、均等に敷均した後、転圧して平坦に仕上げること。
(3) 上部路盤(アスファルト混合物層)の施工
ア) 舗装に先立ち、粒度調整砕石あるいは粒度調整鉄鋼スラグ砕石表面の不純物等を取除き、
不陸のないことを確認すること。
イ) 混合物の敷均しは縦横断形状を正しく仕上げるため、自動調整装置を有する敷均し機械の
使用を標準とすること。
ウ) 混合物の舗設温度は110℃以上とすること。
エ) 転圧作業ができる最小範囲まで敷均しが終了した後、すみやかに締固めを開始すること。
オ) 敷均し作業中に雨が降り始めた場合は、敷均し作業を直ちに中止し、すでに敷均した部分
はすみやかに転圧仕上げを完了すること。
カ) 気温が5℃以下の時、または冬期において気温が5℃以上であっても強風の時は、原則とし
て施工しないこと。
キ) 構造物との取付け部および路肩部の締固めについても、(4)に規定する密度を満足できる方
法によること。
(4) アスファルト路盤は付属書2-4に示す締固め程度を満足すること。
(5) 省力化軌道用アスファルト路盤および有道床軌道用アスファルト路盤の締固め程度試験は、
付属書2-4に示す位置で行うこと。測定により生じた測定孔は、測定終了後ただちに同質材料
を用いて十分締固め、復元すること。
(6) アスファルト路盤の仕上り状態について、監督員の指示のある場合には、現地において施工
確認を受けること。
2-8-3 透水性スラグモルタル路盤
(1) 透水性スラグモルタル路盤の施工
ア) 締固め時は所定の散水を行い、製品の水和反応に必要な含水比を保持すること。
イ) 敷均し時は一層の仕上り厚さ30cm毎に、散水・締固めを行うこと。
ウ) 敷均した材料は、必ずその日の内に締固めること。
エ) 使用時は、微細粉の飛散に注意すること。
オ) 本材料は水硬性なので、実際に使用するまでの間は、水分から保護するように管理し、現場
での長期保存は行わないこと。
(2) 透水性スラグモルタル路盤は、所定の強度が得られるよう施工すること。
2-8-4 砕石路盤
(1) 砕石路盤の材料は、路盤噴泥が生じにくく、振動や流水に対して安定している、クラッシャ
ラン等の砕石または良質な自然土等を用いること。
(2) 砕石路盤の施工
ア) 材料は、運搬、まき出しにより粒度が片寄ることがないよう十分混合して、均一なものを
使用すること。
イ) 敷均しは、一層の仕上り厚さが15㎝程度に敷均すこと。
ウ) 締固めは、付属書2-4に規定する密度が得られるまで締固めること。締固め時の含水比は、
土質試験より得られる適正な含水比の範囲で施工すること。
エ) 構造物の取付け部や路肩付近での施工は、材料のまき出しや敷均しおよび締固めについて
付属書2-4に規定する締固め程度が得られる方法によること。
オ) 敷均した材料は、降雨等により適正な含水比に変化を及ぼさないよう、できるだけすみや
かに締固めることとし、原則として敷均した材料はその日のうちに排水勾配を付け、平滑に
締固めを完了させること。
カ) 路盤表面は、滞水が生じないよう全路盤面を平滑に仕上げること。
キ) 排水層の施工は一層仕上げとし、均等に敷均した後、転圧して平坦に仕上げること。
(3) 砕石路盤の締固め程度、締固め管理方法および締固め程度試験位置は、付属書2-4によるこ
と。
2-8-5 施工記録
路盤構造に応じて、次の資料を報告すること。
(1) コンクリートの品質管理記録
(2) 路盤材料各種試験成績・品質証明書
(3) 路盤面の締固め程度試験記録
(4) 路盤面の仕上り状態の検査記録
(5) 六価クロム溶出試験記録
2-8-6 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 路盤部の検査状況
(2) 路盤面の締固め程度試験状況
(3) コンクリートの品質管理状況
2-9 土留め壁

2-9-1 土留め壁の施工

(1) 地山の掘削は、切土面および支持地盤を乱さないこと。
(2) 切土部の土留め壁において、背面に湧水がある場合は、その処置について届出て承諾を受け
ること。
(3) 土留め壁の支持地盤が軟弱な場合は、その処置について届出て承諾を受けること。
(4) 金網等の設置は、掘削面に接着することなく、吹付けコンクリート厚のほぼ中間の位置に設
置すること。
(5) 吹付け作業にあたっては、掘削後できるだけすみやかに行うものとし、のり面各部にわたっ
て十分にかつ均等にコンクリートを吹付けること。
(6) 棒状補強材の施工は、吹付けコンクリート施工後できるだけすみやかに行うものとする。な
お、削孔は地山条件に適合した削孔機械を使用して、できるだけ正確な位置、方向、深さとな
るよう行い、定着材は孔内に空隙が生じないように十分に充填すること。
(7) 補強材は、頭部をプレート、ナット等で締付けて、吹付け面にプレートが密着するように固
定すること。
(8) 壁体コンクリートの施工にあたっては、現地の状況に応じて適切な施工方法施工順序となる
ように行うこと。なお土留め壁には、直径6~10㎝の排水孔を2m2に1箇所設けることを標準とす
ること。
2-9-2 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) コンクリートの品質管理記録
(2) 補強材の品質管理記録
(3) 仕上り状態検査記録
2-9-3 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 支持地盤が軟弱な場合の処置状況
(2) 掘削、埋戻し、転圧の検査状況
(3) 目地、排水工の施工状況
(4) 補強材の検査状況
2-10 のり面工
2-10-1 植生工
(1) 植生工は、使用する材料および施工時期等について、あらかじめ施工計画書により承諾を受
けること。
(2) のり面は、植生工に先だって、不安定な土、石塊および樹根等を取除き、凹凸を整正すること。
(3) 散布工(吹付)
ア) 吹付は、吹付面を十分湿潤状態で施工すること。
イ) 吹付は、一様の厚さになるよう、かつ、のり面を荒らさないこと。
ウ) のり面草が生育するまでに、のり面が浸食される恐れがあるときは、必要に応じて浸食防
止剤を散布すること。
エ) 播種面には、60日以上立入りを禁止すること。
(4) 植生マット工
ア) 張付けは、種子等を装着した面を下面にしてのり面に密着させ、目串を用いてのり面に固
定させること。
イ) マット相互の重なりは羽根重ねとし、重ね幅は5㎝以上とすること。
ウ) マットの上には、厚薄むらなく2mm程度の目土をかけること。
エ) 播種面には、60日以上立入りを禁止すること。
(5) 張芝工
ア) 芝は、現場搬入後、高く積上げたり、長期間天日にさらしたりしないこと。
イ) 芝は、長手方向にべた張りとし、目地を開けないこと。
ウ) 肥料をのり面に均等にまきながら芝を張り、芝の上には目土を均一にふりかけ、土羽板で
打ち固めること。
エ) 芝の脱落を防ぐため、芝1枚あたり2本以上の目串で固定すること。
オ) 播種面には、60日以上立入りを禁止すること。
(6) 植生袋工
ア) 溝切りはのり面水平方向に植生袋の寸法に合せて行い、植生袋は隙間を生じさせないで圧
着させること。
イ) 植生袋の脱落を防ぐため、1袋あたり2本以上の目串で固定すること。
ウ) 播種面には、60日以上立入りを禁止すること。
2-10-2 岩座張
(1) 岩は、剥離性の少ない硬岩で、かみ合せが良い適度の大きさ、形状のものを使用するものと
し、あらかじめ施工計画書により承諾を受けること。
(2) 岩は合端をよくかみあわせ、空隙には目潰し砂利または砕石を填充し、堅固に仕上げること。
(3) 根石は、堅固なものを用い、十分な安定が得られるよう据付けること。
2-10-3 格子枠工
(1) 格子枠材質、形状等については、あらかじめ施工計画書により承諾を受けること。
(2) のり面は、あらかじめ不安定な土、石塊および樹根等を取除き、凹凸を整正すること。
(3) 格子枠部分は掘削土量を少なくなるように施工し、埋戻しは所定の締固め程度が得られる方
法によること。
(4) 格子枠に既製品を用いる場合は、その構造に応じ堅固に組立てること。
2-10-4 張ブロック工
(1) 張ブロック工の材質、形状等は、あらかじめ施工計画書により承諾を受けること。
(2) のり面は、あらかじめ不安定な土、石塊および樹根等を取除き、凹凸を整正すること。
(3) 張ブロック工は、その構造に応じ堅固に組立てること。
2-10-5 モルタル吹付工およびコンクリート吹付工
(1) 使用する材料は次の品質を満足するものを使用すること。
ア) セメント
・ポルトランドセメント・・・・・・・・・・・・・・・・・JIS R 5210
・高炉セメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・JIS R 5211
・シリカセメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・JIS R 5212
・フライアッシュセメント・・・・・・・・・・・・・・・JIS R 5213
上記以外のセメントを用いる場合には、その品質を確かめ、その使用方法を十分に検討す
ること。
イ) 水は油、酸、塩類、有機不純物、懸濁物等、コンクリート等の品質に悪影響を及ぼす物質を有害量含まないこと。
ウ) 骨材は、清浄、堅硬、耐久的で、適当な粒度を持ち、ごみ、どろ、有機不純物、塩化物等
を有害量含まないこと。
(2) のり面湧水のある場合は、適当な排水処理を行うこと。
(3) 金網は、地山より15mm以上、吹付仕上り面より20mm以上離れるよう、止めアンカー等で確実
に保持すること。
(4) 吹付にあたっては、はね返った材料の上にそのまま吹付けないこと。
(5) 吹付にあたっては、5~10m2に1箇所、のり面の凸部に吹付厚検測ピンを設け、吹付厚の管理
を行うこと。
(6) 吹付け後は、3日間以上表面温度を5℃以上に保つとともに、湿気を失わないよう養生を行う
こと。
(7) 施工後の吹付厚の管理は、あらかじめ厚さ管理用の筒を設置しておく、もしくはコアボーリ
ングを行って厚さを測定し、最小吹付厚が設計値の70%以上、平均吹付厚が設計値以上である
ことを確認すること。
なお、測定位置は、凸部から選定し、承諾を受けること。また、測定後の孔は、吹付に使用
した材料と同等以上の材料を充填することとし、筒を設置していた場合には充填前に筒を撤去
すること。
(8) モルタル、コンクリートの配合については、耐食、耐候、耐圧など所要の性能を満足するよ
う決定すること。配合例を表2-3に示す。
表2-3 吹付け材料の配合例
工法
材料
モルタル吹付工 コンクリート吹付工
配合
重量比
セメント

砂利
水セメント比
(セメント:砂)
1:3~1:4
ポルトランドセメント
粗粒率1.5~2.0

45~50%
(セメント:砂:砂利)
1:3:1~1:5:2
ポルトランドセメント
粗粒率1.5~2.0
25mm以下(乾式)
15mm以下(湿式)
40~45%
2-10-6 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) コンクリートの品質管理記録
(2) 仕上り状態検査記録
2-10-7 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 植生工の目串、目土の検査状況
(2) 岩座張の合端合せ、目潰しの検査状況
(3) 格子枠の埋戻し、転圧検査状況
(4) 既製格子枠の組立検査状況
(5) 張りブロックの目地、排水工等の検査状況
(6) モルタル、コンクリート吹付工の金鋼、検測ピンの検査状況
2-11 管およびU形こう
2-11-1 管およびU形こう等のコンクリート工場製品
管およびU形こう等のコンクリ-ト工場製品は、次の規格品を使用すること。
(1) 鉄筋コンクリート管 JIS A 5372
(2) 遠心力鉄筋コンクリ-ト管 JIS A 5372
(3) 鉄筋コンクリートU形 JIS A 5372
(4) 鉄筋コンクリートU形用ふた JIS A 5372
上記以外の製品を使用する場合は、あらかじめ承諾を受けること。
2-11-2 管およびU形こうの敷設
(1) 敷設面は平坦に仕上げ、締固めること。
(2) 据付けにあたっては、所要の排水勾配を確保すること。
(3) 継手目地は、空継ぎの場合を除き硬練りモルタル等を用い、漏水のないよう仕上げること。
(4) 線路側こう周辺の埋戻しにあたっては、周辺からの集水を妨げることのないように締固める
こと。
2-11-3 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 二次製品規格
(2) 仕上り状態検査記録
2-11-4 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 敷設面の検査状況
(2) 継手、目地、埋戻しの検査状況
2-12 テールアルメ
2-12-1 盛土部分の支持地盤
盛土部分の支持地盤が局部的に軟弱な場合は、その処置についてすみやかに届出て承諾を受けること。
2-12-2 テールアルメに用いる材料
(1) テールアルメに用いる補強材(ストリップ)および壁面材(スキン)は、JIS規格等に適合し
たものを使用し、あらかじめ承諾を受けること。
(2) フィルター材は、盛土材料の流出を防止できるもので、不織布を標準とする。
(3) 盛土材料は、日本統一土質分類の(G)、(G-S)、(G-F)、(G-FS)、(S)、(S
-G)、(S-F)、(S-FG)、および細粒分含有率が25%以下の(GS)、(GS-F)、
(SG)、(SG-F)、ならびに細粒分が適当に混合した硬岩ずりで表2-4に示す条件を満たすものを標準とする。
表2-4 盛土材料の粒度条件
最大粒径
粒径100mm以上の
含有率
粒径0.075mm以下の
含有率
備 考
250mm以下 25%以下 25%以下
細粒分が適当に混合した粒度で
締固めやすいもの
2-12-3 テールアルメの施工
テールアルメの施工は、次によるほか、2-4-5による。
(1) 基礎コンクリートは、スキンの組立等に支障のないよう平坦に仕上げること。
(2) 盛土1層の締固め厚さは30㎝以下とし、締固め終了時の仕上り面はストリップ敷設面と一致さ
せること。
(3) 盛土の締固めにあたっては、盛土材料を一様に敷均し、盛土全体にわたって均等に締固める
こと。
(4) 盛土の施工にあたっては、ストリップが正常な状態に敷設されるとともに、スキンおよびス
トリップに損傷を与えないこと。
(5) スキン付近の締固めについては、所定の締固め程度が得られる方法によること。
2-12-4 テールアルメの盛土の締固め程度
テールアルメの盛土の締固め程度は、突固めによる土の締固め試験方法(JIS A 1210)呼び名
E試験における最大乾燥密度に対して90%以上に締固めること。
2-12-5 テールアルメの盛土の締固め程度試験
テールアルメの盛土の締固め程度試験を行う位置は次を標準とし、あらかじめ承諾を受けるこ
と。
(1) 測定断面は、線路延長50mごとに1箇所とする。
(2) 各断面における測定位置は、ストリップ両端よりそれぞれ1/4内側のストリップ敷設面とし、
下間隔は、コンクリートスキンで75㎝、メタルスキンで1.0mとすること。
2-12-6 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) スキン、ストリップ試験成績書
(2) 土質試験成績書
(3) 仕上り状態の検査記録
(4) 締固め程度試験記録
2-12-7 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 支持地盤が軟弱な場合の処置状況
(2) スキンが変状した場合の処置状況
(3) 基礎コンクリートの施工状況
(4) スキン背面の締固め検査状況
(5) 締固め程度試験状況
2-13 盛土補強土壁
2-13-1 盛土補強土壁の構成
盛土補強土壁は、密に配置した面状補強材(ジオテキスタイル)並びに十分な剛性を有する壁
面により構成すること。
2-13-2 盛土補強土壁の使用材料
(1) 盛土補強土壁に用いる面状補強材、壁面工および、盛土材は、あらかじめ承諾を受けること。
(2) 盛土補強土壁に用いる面状補強材は、盛土の安定に必要な引張抵抗力を有し、耐候性やクリ
ープ性能等、長期間の使用に耐えられること。
(3) 盛土補強土壁における壁面工は、盛土の安定に必要な曲げ剛性を有し、長期間の使用に耐え
られること。
(4) 盛土補強土壁に用いる盛土材は、盛土の材料によること。
2-13-3 盛土補強土壁の施工
(1) 補強材は、盛土の一層ごとの仕上り厚に合わせ、原則として30㎝に一層ごとに配置すること。
(2) 補強材の配置は、原則として高さ方向に同じ長さ、同じ品質のものを使用すること。
(3) 補強材の配置方向を誤ると、補強材として機能しないため、特に注意すること。
(4) 盛土の転圧の際に、重機等により補強材を損傷させないこと。
(5) 補強材の継目は、壁面に対し直角方向(主方向)に設けないことを原則とするが、全層敷き
込みでやむを得ず設ける場合には50㎝程度重ね合わせ番線等で連結すること。
(6) 壁面を支持する基礎工は、壁面自重の支持ならびに壁面構築の精度を確保するため地盤に合
わせ、堅固に行うこと。
(7) 盛土補強土壁の根入れ深さは、前面地盤から40㎝以上確保すること。
(8) 盛土補強土壁の壁面には、20m以下の間隔で目地材を用いた伸縮目地を設けること。また、壁
表面にはV字の収縮目地を5m程度の間隔で設けること。
(9) 壁面工の打設にあたっては、裏型わくを絶対に使用しないこと。
(10) 壁面が無筋コンクリートの場合は、打継目に十分な差筋を施すこと。
(11) 盛土補強土壁には、壁面構築までの間、土のう等による仮抑えを行うこと。
(12) 盛土補強土壁には、壁背面にぐり石やクラッシャランによる排水層を設けるとともに、直径6
㎝以上の排水工を2~4m2に1箇所程度設けること。
2-13-4 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 面状補強材試験成績書
(2) 土質試験成績書
(3) コンクリートの品質管理記録
(4) 仕上り状態の検査記録
(5) 締固め程度試験記録
2-13-5 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 支持地盤が軟弱な場合の処置状況
(2) 締固め程度試験状況
2-14 気泡モルタル
2-14-1 施工計画書
気泡モルタル盛土の施工にあたっては、次の事項を施工計画書に記載すること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程
(3) 主要材料(安定材、細骨材、練混水、気泡剤、材料管理方法)
(4) 配合計画
(5) 製造設備(プラント、混練)
(6) 施工方法(圧送、打込み、型わく、養生)
(7) 機械器具類(特に指定されたもの)
(8) 品質管理計画(品質管理値、品質管理項目、工事記録、工事写真等)
(9) その他
2-14-2 施工管理者
気泡モルタル盛土の施工にあたっては、土工およびコンクリートに関する専門知識と、2年以
上の土工およびコンクリートの実務経験を有する施工管理者を現場に常駐させること。
2-14-3 使用材料
(1) 安定材
安定材として使用するセメント及びセメント系材料は、流動性が良く、材料分離を起こさな
いで長距離圧送が可能な材料とする。
(2) 細骨材
安定材と混練したときに強度発現が確実であり、安定した品質が確保できる材料を使用する。
(3) 起泡剤
起泡剤は、合成界面活性剤系または動物性蛋白質系のものを使用する。
(4) 水(混練水及び希釈水)
水道水または強度発現に支障となるゴミや泥、油などを含まない、河川、湖沼水、地下水を
使用する。
2-14-4 配合
気泡モルタルの配合は、所要の性能を満足するもので、施工性を考慮して定める。
2-14-5 施工地盤の強度
施工地盤上の高さが3m未満の場合は、「2-7 路床」に準じて施工すること。
2-14-6 施工
(1) 製造設備で造られた気泡モルタルを、打ち込み箇所まで運搬する方法はポンプ圧送とし、一
般的に圧送距離は300m以下を標準とする。
(2) 気泡モルタルは、ホースの筒先から直接打込み、筒先は気泡モルタル中に沈めながら打込む
こと。また、打込み中に材料の分離をさせてはならない。
(3) 気泡モルタルの打込みは、雨天または降雨が予想される場合は行わないこと。打込み中や気
泡モルタルが固まらない時の突発的な降雨の場合は、速やかにシートで完全に覆うなどの対策
をとること。
(4) 気泡モルタルの1層の打ち込み高さは、1m以下とする。なお、狭い範囲の施工でやむを得ず1m
以上の打込みを行う場合には、施工試験により気泡モルタルの品質が確保できることを確認し
てから施工する。また、使用する機械の能力、施工時の外気温、配合条件から凝結開始時間ま
での打込み可能時間を考慮して、あらかじめ施工ブロックを定めてから打込みを行うこと。
(5) 気泡モルタルが固化するまでは、荷重、衝撃、振動および過度な水分の蒸発および凍結など
の作用を与えないこと。
(6) 気泡モルタルの打込み後は速やかに養生を開始し、露出面は養生用マットまたは布等を濡ら
したものでこれを覆うか、または散水、湛水を行い、湿潤状態を保つこと。
(7) 日平均気温が5℃以下になることが予想される場合には、次により施工すること。
ア) 気泡モルタル盛土の練上がり温度は、原則として15℃以上とする。必要に応じて、練混
水の水温を調整する。また、品質管理のために採取する試験体についても、温度が15℃以下
とならないよう保温管理を行う。
イ) 気泡モルタルの打込みにあたっては、型枠等に付着した氷雪を取除く。
ウ) 打込み終了後は、表面を乾燥から保護するため、速やかに養生を開始する。
エ) 養生は、気泡モルタルが凍結しないように保温養生、給熱養生等により十分に保護し、
特に風を防ぐ。
2-14-7 施工記録
(1) 事前配合時の品質管理記録
(2) 施工時の品質管理記録
(3) 形状、寸法の記録
(4) 施工地盤の強度試験記録(高さ3m未満の場合)
(5) 六価クロム溶出試験記録
2-14-8 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 支持地盤が軟弱な場合の処置状況
(2) 施工地盤の強度試験状況(高さ3m未満の場合)
(3) 型枠組立検測状況
(4) 形状、寸法の測定状況
2-15 地山補強土工(先行削孔方式)
2-15-1 適用範囲
棒状補強材を用いた先行削孔方式による地山補強土工事に適用する。本章に特に定めのない事
項については「2-9 土留め壁」によるものとする。
2-15-2 施工計画書
地山補強土工の施工にあたっては、次の事項を記載した施工計画書をあらかじめ届出て、承諾
を受けること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程
(3) 主要材料(芯材、定着材等)
(4) 機械器具類
(5) 施工方法(削孔工、注入工、芯材挿入工、頭部定着工等)
(6) 品質管理計画(品質管理項目、箇所、工法、引抜き試験方法、記録様式、工事記録、工事写真等)
(7) その他
2-15-3 施工管理者
地山補強土工の施工にあたっては、地山補強土工に関する十分な専門知識と、2 年以上の実務
経験を有する施工管理者を現場に常駐させること。
2-15-4 使用材料
(1) 芯材
ア)芯材には引張補強材としての所要の性能を有する材料を用いるものとし、その性能を証明
する資料を届出て、承諾を受けること。
イ)芯材として鋼材を用いる場合、原則として次の品質規格を満足するものを使用すること。
・鉄筋コンクリート用異形棒鋼 ································ JIS G 3112
・異形PC鋼棒 ·············································· JIS G 3109
ウ)芯材およびスペーサーとして用いる鋼材は防食を施すことを標準とする。異形棒鋼の防食
は亜鉛メッキ処理(HDZ 55)、異形PC鋼棒の防食はエポキシ樹脂塗膜によることを標準
とする。
(2) 定着材
ア)定着材の品質は所要の強度および良好な流動性を有し、芯材に有害な影響を与えないもの
とする。なお、セメントミルクを用いる場合は表2-5 に示す品質を標準とする。
表2-5 定着材の品質管理
品質管理項目 許容差・基準
コンシステンシー(P 漏斗使用)(秒) 10~20
比重(%) ±2(設計配合の比重に対して)
ブリーディング率(%) 3 以下
塩化物イオン量(㎏/㎥) 0.3 以下
圧縮強度※1 設計強度以上
※1:材齢28 日強度を標準とする。
イ)定着材の配合は、温度条件等の施工条件に応じて試験練りを行い、所要の品質が得られる配
合を定めること。セメントミルクを定着材とする場合の配合例を表2-6 に示す。
表2-6 定着材の標準配合
重量比(%)
普通ポルトランド
セメント(C)
膨張材*1 水
(W)
減水剤
100 7.1 53 0.4~1.0
*1:膨張材はJIS A 6202 コンクリート用膨張材に適合するものとする。
(3) 頭部定着材等
ナット,頭部プレート等の頭部定着材は防食を施すことを標準とする。
2-15-5 削孔工
(1) 施工に先立ち、既設構造物等支障物の有無について確認すること。
(2) 周辺構造物や埋設物の配置等が想定していた状況と異なり、補強材の位置、角度、長さの変
更を要する場合は、変更後の位置等をあらかじめ届出て承諾を受けること。
(3) 削孔工の品質管理は、表2-7 によることとし、その結果を報告すること。
表2-7 削孔工の品質管理
検測項目 規格値 検測頻度
削孔機の据付時の
精度
打設位置 75mm 以下 全孔
打設角度 2.5°以下 全孔
削孔径 設計径以上 全孔*1
削孔長 設計長以上 全孔
*1:同一の削孔機を用いる場合は、施工前に1 回ケーシング等を検測することとして良い。
(4) 削孔後、スライム等を確実に除去すること。
2-15-6 注入工
(1) 定着材の品質管理にあたっては、表2-8 に示す試験を行うこと。
表2-8 定着材の品質管理
試験項目 採取箇所 試験方法 試験の標準頻度
コンシステンシー タンク内 JSCE‐F 521
1. 午前、午後の第一バッチで各
1 回
2. 配合、またはミキサーを変更
したときの第一バッチで1 回
比重 タンク内 マッドバランス等
塩化物含有量 タンク内 付属9-2 による 施工前に1 回
圧縮強度 タンク内 JSCE‐G 505 1 回/週
(2) 定着材は孔先端部から注入するものとし、削孔内の排水及び排気を確実に行い、孔口か
ら排出される定着材が目視確認で削孔水と完全に置換されたか確認し、監督員に報告する
こと。
(3) 定着材充填後、補強材頭部背面に空洞が生じた場合は、速やかにモルタル等にて充填すること。
(4) 孔内充填が困難な場合は監督員に速やかに報告すること。
2-15-7 芯材挿入工
(1) 芯材は、所定の形状および寸法であることを確認すること。
(2) 機械式継手については以下による。
ア)機械式継手の継手種別・工法は、メーカー・仕様および性能等についてあらかじめ届出て
承諾を受けること。
イ)機械式継手の施工および品質管理は、機械式継手の設計・施工に関する十分な専門知識と
業務経験を有する技術者により行うこと。
ウ) 施工にあたっては、使用する機械式継手の技術資料等に定められた施工方法・品質管理
方法等を記載した施工計画書を作成し、あらかじめ届出て承諾を受けること。なお、ネジ
式の機械式継手を使用する場合は、付属書8-3 に示す接合する鉄筋の状況に応じた継手タ
イプについて、どのタイプを使用するかを施工計画書に明示すること。
エ) 機械式継手の施工中は、継手部の管理状況について記録し、施工後、管理結果を報告す
ること。
(3) かぶりを確保できるように、スペーサーを孔口部付近と補強材中央付近より奥側(地山
深部側)の2 箇所以上、2.0m 以内の間隔で設置すること。
2-15-8 頭部定着工
(1)頭部定着に先立ち、頭部プレート背面は固練りモルタル等で平坦に仕上げること。
(2)頭部定着部が露出する場合は、内側に防錆油を充填したアルミ合金キャップを被せる等腐
食に対する長期耐久性を有する構造を標準とする。
2-15-9 引抜き試験
引抜き試験は、以下の試験頻度と載荷方法を標準とする。なお、試験方法の詳細は付属
書2-5 によること。
試験にあたっては、試験頻度・載荷方法等を記載した試験計画書を作成し、あらかじめ
監督員に届出て承諾を受け、試験後すみやかにその結果を報告すること。なお、基準値を
満たさない場合はすみやかに監督員に報告し、処置について監督員と協議すること。また、
処置後はすみやかに結果を報告すること。
(1) 適合性試験
ア)施工実績の無い施工法および地層を対象として、監督員の指示があった場合は試験を実施す
ることを原則とする。
イ)施工着手時に地層ごとに小径補強材(削孔径100mm程度まで)は3 本以上、中径補強材
(削孔径100~300mm程度)は2 本以上、大径補強材(削孔径300~500mm程度)は1 本以
上試験を行うこと。
ウ)載荷方法は多サイクル、計画最大荷重は定着材と設置地盤との極限周面摩擦抵抗力と補強
材芯材降伏荷重の90%の小さい方とすることを原則とする。
(2) 受け入れ試験
ア)小径補強材は施工全数量の3%以上かつ3 本以上、中径補強材は施工全数量の2%以上か
つ2 本以上、大径補強材は施工全数量の1%以上かつ1 本以上試験を行うこと。
イ)載荷方法は単サイクル、計画最大荷重は設計荷重を原則とする。
ウ)ただし、施工本数が非常に少ない、また、試験が大掛かりになる場合等は、現場に合った
試験方法および本数を監督員へ届出て承諾を受けること。
2-15-10 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 材料規格証明書(ミルシート、継手規格証明、定着材の配合表)
(2) 材料検査報告書
(3) 削孔工施工記録
(4) 定着材品質管理記録
(5) 定着材充填記録
(6) 引抜き試験結果
(7) 機械式継手管理記録
2-15-11 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 削孔工の品質管理状況
(2) 定着材の品質管理状況
(3) 定着材充填状況
(4) 機械式継手管理状況
(5) 引抜き試験状況(計画最大試験荷重時)
2-16 地山補強土工(機械撹拌混合方式)
2-16-1 適用範囲
棒状補強材を用いた機械撹拌混合方式による地山補強土工事に適用する。本章に特に定めのな
い事項については「2-9 土留め壁」によるものとする。
2-16-2 施工計画書
地山補強土工の施工にあたっては、次の事項を記載した施工計画書をあらかじめ届出て、承諾
を受けること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程
(3) 主要材料(芯材、固化材液等)
(4) 機械器具類
(5) 施工方法(機械撹拌混合工、芯材挿入工、頭部定着工等)
(6) 品質管理計画(品質管理項目、箇所、工法、事前配合試験方法、引抜き試験方法、記録様式、
工事記録、工事写真等)
その他
2-16-3 施工管理者
地山補強土工の施工にあたっては、地山補強土工に関する十分な専門知識と、2 年以上の実務
経験を有する施工管理者を現場に常駐させること。
2-16-4 使用材料
(1) 芯材
ア)芯材には引張補強材としての所要の性能を有する材料を用いるものとし、その性能を証明
する資料を届出て、承諾を受けること。
イ)芯材には鋼材またはビニロン製FRPロッドを用いることを標準とする。
ウ)芯材として鋼材を用いる場合、原則として次の品質規格を満足するものを使用すること。
・鉄筋コンクリート用異形棒鋼 ································ JIS G 3112
・異形PC鋼棒 ·············································· JIS G 3109
エ)芯材として用いる鋼材は防食を施すことを標準とする。異形棒鋼の防食は亜鉛メッキ処理
(HDZ 55)、異形PC鋼棒の防食はエポキシ樹脂塗膜によることを標準とする。
(2) 固化材液
ア)固化材液の配合は、事前に現地土を用いた室内配合試験または現場改良試験を行い、定着材
(ソイルセメント等)が所要の強度が得られる配合を定め、あらかじめ届出て承諾を受けるこ
と。
イ)改良体による六価クロム溶出試験を実施し、あらかじめ届出て承諾を受けること。六価クロ
ム溶出試験は、付属書1-1 を参考に実施すること。
(3) 頭部定着材等
ナット,頭部プレート等の頭部定着材は防食を施すことを標準とする。
2-16-5 機械撹拌混合工
(1) 施工に先立ち、既設構造物等支障物の有無について確認すること。
(2) 周辺構造物や埋設物の配置等が想定していた状況と異なり、補強材の位置、角度、長さの変
更を要する場合は、変更後の位置等をあらかじめ届出て承諾を受けること。
(3) 掘削の品質管理は、表2-8 によることとし、その結果を報告すること。
表2-8 掘削の品質管理
検測項目 規格値 検測頻度
撹拌混合装置の
据付時の精度
打設位置 75mm 以下 全孔
打設角度 2.5°以下 全孔
掘削径 設計径以上 全孔*1
掘削長 設計長以上 全孔
*1:同一の撹拌混合装置を用いる場合は、施工前に1 回掘削翼等を検測することとして良い。
(4) 機械撹拌混合工は、事前に撹拌装置の掘進・引抜速度、固化材液の注入量、トルク(電流
値)等を定め、あらかじめ届出て承諾を受けること。
(5) 機械撹拌混合工は、掘進時に固化材液を注入しながら同時撹拌し、引抜き時には芯材周囲
に固化材液を注入しながら同時撹拌すること。なお、撹拌混合は掘進時と引抜き時の2 回行
うことを標準とする。
(6) 機械撹拌混合中は、常に深度、掘進・引抜速度、固化材液の注入量等を連続監視し、施工デ
ータを連続して記録し、報告すること。なお、撹拌混合の品質管理は表2-9 によることとする。
表2-9 撹拌混合の品質管理
検測項目 管理基準値 検測頻度
固化材液比重 設定値の99%以上 1. 午前、午後の第一バッチで各1 回
2. 配合、またはミキサーを変更した
ときの第一バッチで1 回
固化材液単位時間
当たり注入量
設定値の90%以上 全孔
固化材液積算注入量 設定値以上 全孔
掘削速度 設定値以下 全孔
引抜速度 設定値以下 全孔
(7) 定着材の品質管理は表2-10 および付属書2-6 によることとし、施工後速やかに報告する
こと。
表2-10 定着材の品質管理
試験項目 試験方法
試験の標準頻度
管理基準
中径補強材※1 大径補強材※2
定着材
圧縮強度
(頭部強度)
土の一軸
圧縮試験
JIS A 1216
1.水平延長方向に20 列ごとに最上
段・最下段より各1 箇所
2.設計上、最大引抜抵抗力が発生する
段より20 列ごとに1 箇所
材齢28 日での一
軸圧縮強さの平均値
が設計基準強度の
0.80 倍を1/20 以上
の確率で下回らな
い、および平均値が
設計基準強度を1/4
以上の確率で下回ら
ない
定着材
圧縮強度
(深度強度)
不要 水平延長方向に100
列ごとに1 箇所、深
度方向の頭部・中間
部・先端部の3 点
※1 定着材の築造径が標準径200mmもしくは250mm
※2 定着材の築造径が標準径400mm
(8) 補強材頭部背面に空洞が生じた場合は、速やかにソイルセメント等にて充填すること。
2-16-6 芯材挿入工
(1) 芯材は、所定の形状および寸法であることを確認すること。
(2) 芯材として鋼材を用いる場合、機械式継手については以下による。
ア)機械式継手の継手種別・工法は、メーカー・仕様および性能等についてあらかじめ届出て
承諾を受けること。
イ)機械式継手の施工および品質管理は、機械式継手の設計・施工に関する十分な専門知識と
業務経験を有する技術者により行うこと。
ウ) 施工にあたっては、使用する機械式継手の技術資料等に定められた施工方法・品質管理
方法等を記載した施工計画書を作成し、あらかじめ届出て承諾を受けること。なお、ネジ
式の機械式継手を使用する場合は、付属書8-3 に示す接合する鉄筋の状況に応じた継手タ
イプについて、どのタイプを使用するかを施工計画書に明示すること。
エ) 機械式継手の施工中は、継手部の管理状況について記録し、施工後、管理結果を報告すること。
2-16-7 頭部定着工
(1) 頭部定着に先立ち、頭部プレート背面は固練りモルタル等で平坦に仕上げること。
(2) 頭部定着部が露出する場合は、防食のため芯材種別に応じた頭部処理を施すこと。
2-16-8 引抜き試験
引抜き試験は、「2-15-9 引抜き試験」による。
2-16-9 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) 材料規格証明書(ミルシート、継手規格証明)
(2) 材料検査報告書
(3) 事前配合試験結果
(4) 撹拌混合品質管理記録
(5) 定着材品質管理記録
(6) 引抜き試験結果
(7) 機械式継手管理記録
(8) 六価クロム溶出試験記録
2-16-10 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 事前配合試験状況
(2) 撹拌混合の品質管理状況
(3) 定着材の品質管理状況
(4) 機械式継手管理状況
(5) 引抜き試験状況(計画最大試験荷重時)
(6) 六価クロム溶出試験状況

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