鋼構造物の製作

10-1 適用範囲
10-1-1 直接列車荷重を支持する鋼構造物(複合構造物を含む)の工場製作・運搬に適用する。
なお、工事桁(かんざし桁・仮橋脚を除く)についても適用する。
10-1-2 主要部材と2 次部材
主要部材と2 次部材の区分は、表10-1 によること。
10-2 品質管理方法
品質管理方法は、付属書10-1 により行うこと。
10-3 製作工場
鋼構造物の製作工場は、品質管理体制が整っている工場(付属書10-1)かつ、「10-10-5 溶接
工の資格」に示す溶接工を有する工場とする。
10-4 施工計画書
鋼構造物の製作および運搬にあたっては、次の事項を記載した施工計画書(製作要領書)を
あらかじめ届出て、承諾を受けること。
(1) 施工体制
(2) 品質管理方法
(3) 材料および部品
(4) 製作方法(原寸、溶接、孔明け方法、組立等)
(5) 製作工程
(6) 試験および検査
(7) 購入品
(8) 作業の外注先(切断等)
(9) 製作精度
(10) 運搬
(11) その他

10-5 材料
(1) 設計図に示された材料の材質は、特に指定された場合を除き表10-2~表10-5 によるこ
と。なお、設計図に示されていない材質を使用する場合には、承諾を受けること。
(2) 使用鋼材は材質の区分を明示し、加工に先立って汚れを落とし歪み取りを行うこと。
(3) 鋼板の厚さの許容値は、JIS G 3193(熱間圧延鋼板と鋼帯の形状、寸法、重量およびそ
の許容差)の厚さ許容差を適用し、かつ、(-)側の許容差が公称板厚の5%以内のものとす
ること。
(4) 鋼板は、表面にJIS B 0601(表面粗さの定義と表示)に規定された最大高さ100 μmRz
を超える深さの傷がない物を使用すること。鋼板の表面傷を補修する場合には、表10-22
によることとする。なお、570N/mm2 級以上の調質高張力鋼および高強度鋼の表面傷の補修
については、溶接による肉盛補修は行わないことを原則とするが、肉盛溶接により補修を
行う必要がある場合には、補修方法を届け出て、承諾を受けること。
(5) 溶接材料の銘柄およびワイヤとフラックスの組合せならびに銘柄については、あらかじめ
届出て、承諾を受けること。
(6) サブマージアーク溶接のワイヤおよびフラックスは、その溶接金属の強度およびシャル
ピー吸収エネルギーが母材の規格値と同等以上のものとすること。
(7) JIS G 3114(溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)のうち「P 種」については、耐候性溶接棒
および耐候性のワイヤとフラックスの組合せを、使用しなくてもよい。

10-6 原寸およびけがき
(1) 製作に着手する前に、原寸図またはそれに準ずるものを作成して原寸検査を実施し、設計
図の訂正が必要になる事項については届出て、その処置について承諾を受けること。
(2) 主要部材の板取りは、原則として主たる応力の方向と圧延方向とを一致させること。
(3) 主要部材の鋼板にけがきをする際は、タガネ、ポンチ傷を付けないことを原則とする。ま
た、やむを得ず使用する場合には、あらかじめ使用箇所、および除去方法を届出て、承諾を
受けること。
10-7 切断および切削
(1) 鋼材の切断面および開先面の品質は、表10-6 によること。

(2) 主要部材で組立てた後に自由縁となる切断面の角は、半径1.0mm 程度の丸みをつけるか、
また1.0mm 程度の面取りをすること。
なお、長期耐久型塗装系を用いる部材や無塗装構造物の自由縁は、半径2.0mm 程度の丸み
をつけること。
(3) ノッチの補修は、表10-22 によること。
(4) フィラー、綾構材およびこれと類似の部材の切断面は、せん断のままとしてよい。ただし、
かえりは取除くこと。
(5) ガス切断またはせん断によるひずみは、修正すること。
(6) 材片の切込み部の隅角部には、ドリルまたはならい切断機を用い、半径10mm 以上の丸み
をつけるのを原則とする。ただし、切込み部に他の材片を挿入して溶接する場合は、材片
間に1mm を超える隙間の生じない半径とする。
(7) ボルト孔の中心から切断縁までの最小距離は、指定された場合を除き表10-7 によるこ
と。

8 曲げ加工
(1) 主要部材の曲げ加工は、鋼板を板厚の15 倍以上の内側半径で曲げる場合、および次の部
材は冷間曲げ加工によることができる。
ア) 馬蹄形ジベル
イ) トラフガーダーの軌条受け
ウ) 圧縮応力のみを受ける部材
(2) 主要部材の鋼板で板厚の15 倍未満の内側半径で曲げる場合、施工試験を行うのを原則と
し、施工方法を届出て承諾を受けること。
(3) SM570 Q およびSMA570 Q の熱間曲げ加工は、原則として行ってはならない。
10-9 ボルト継手
10-9-1 ボルト孔の穴あけ
(1) 孔の形状は円筒形で、その軸は設計図で指定された場合を除き、部材の表面に直角とし、
その角度の許容傾斜量は1/20 以下とすること。
(2) 高力ボルト、打込み式高力ボルトおよび普通ボルトの孔径は、設計図で指定された場合を
除き表10-8 によること。

(4) 主要部材のボルト孔は、ドリルで規定の寸法に開けるか、ドリルで先孔を開け、材片を組
合せたのち、リーマー通しを行い規定の寸法にするかまたは、あてもみ工法によること。
(5) 2 次部材のボルト孔は、規定の寸法にパンチで開けることができる。ただし、厚さ16mm を
超える材片および主要部材との連結用ボルト孔の場合は、(4)項によること。
(6) ボルト孔周辺の加工は、次によること。
ア) 孔開けによって孔のへりに生じたまくれは削りとること。
イ) 高力ボルト孔周辺の浮出しロールマークは取除くこと。ただし普通ボルトを使用する場
合はこの限りでない。
(7) ボルト孔の寸法の許容差は、設計図で指定された場合を除き表10-10 によること。また、
部材を組合せた後のゲージの貫通率および停止率は、表10-11 によること。
(8) 主要部材の連結部または添接板においては、架設用基準孔を表示すること。

(9)施工上やむを得ず拡大孔を用いる場合は承諾を受けること。ただし、拡大孔を用いる場合の
ボルト孔径は使用箇所を特定し、表10-12 に示す呼び径+4.5mm を超えないことを原則とし、
設計の断面控除を拡大孔径+0.5mm として再度連結部の安全性を照査して問題ないことを確
認しておかなければならない。なお、M20~24 の拡大孔の孔径は表とボルト孔に対するゲー
ジの貫通率および停止率は表10-12 による。また、拡大孔の施工にあたっては拡大孔のリー
マー通しは行ってはならない。

10-9-2 高力ボルト
(1) 高力ボルトについては、所要の試験成績表を報告すること。
(2) 高力ボルト類の保管および取扱いは、錆の発生やねじ山の破損等を起こさせないこと。
10-9-3 高力ボルトの締付け
(1) 高力ボルトで締付ける継手部の材片の接触面の処理は、次によること。
ア) 接合される材片の接触面には、0.4 以上のすべり係数が得られるように処理すること。
ただし、支圧接合の場合はこの限りでない。
イ) 材片の締付けにあたっては、接触面の浮きさび、油などを取除くこと。
(2) 高力ボルトで締付ける継手部で、ボルト頭およびナット側の材片表面の処理は、次による
こと。なお、長期耐久型塗装系の場合は塗装種別や塗装部位(内面・外面)により適切な処
理を行うこと。
ア) 素地調整後プライマーを塗装すること。
イ) 原板処理の場合、プライマーの塗膜が損傷したものは補修塗りを行うこと。
ウ) さび止めペイントなどの塗装を行わないこと。
(3) ボルトの座金は、次によること。
ア) 高力ボルトの2 枚1 組の座金は、1 枚をボルト頭部に、1 枚をナット側に使用すること。
なお、トルク値を減ずるために表面処理を施した座金を用いる場合は、これをナット側の
みに用い、ボルト頭部には表面処理を施さないものを用いること。
イ) 打込み式高力ボルトおよびトルシア形高力ボルトの座金は、ナット側のみに1 枚使用す
ること。
(4) 高力ボルトの締付けをトルク値によって管理する場合は、施工直前にあらかじめ承諾を受
けた方法によりトルク値を検定し、所要軸力に対する値を定めること。
(5) 高力ボルトの締付け軸力は、表10-13 を標準とすること。

(6) ボルト群の締付けは、中央部から順次端部のボルトに向かって行うこと。1 回目に所要ト
ルクの60%程度に全ボルトを締付けて、2 回目の締付けで所定のトルクを与え、材片が密着
していることを確認し、最後に継手端部のボルトを締付けること。
なお、締付け管理は、一次締めの状態でペンキ等によりマークし、その移動により確認す
ること。
(7) 2 次部材および施工上やむを得ない高力ボルトの締付けは、前項によるほか、ナット回転
角法によってもよい。
なお、ナット回転角法で行う場合、次によること。
ア)ボルト長が径の5 倍以下の場合、一次締めを行なった位置からナットを以下の位置まで回
転させる。
ボルト長が径の5 倍以下の場合 :120 度±30 度
ボルト長が径の5 倍を超える場合 :施工条件に一致した予備試験によって
目標回転角を決定する
イ) 一次締めは、プリセット形トルクレンチ等を用いることを基本とする。なお、一次締め
トルク値は表10-14 の値でナットを回転させること。
ウ) やむをえず、一次締めを組立用普通スパナで行なう場合には、表10-14 に示す値を目
標とすること。
エ) 締付け管理は1 次締めの状態でペンキ等によりマークして、その移動により回転角を確
認すること。
(8) 溶融亜鉛めっき高力ボルトの締付けは、前項に準じてナット回転角法によること

(9) 打込み式高力ボルトは、次により施工すること。
ア) ボルトの打込みは、ボルトのねじ部にナットが掛かるまで打込み、ナットをセットした
後に、ナットを回転してボルトを引き込むものとする。
イ) ボルトの締付けは、組立用普通スパナで力一杯締付けた位置からナットを 120±30゜の
位置まで回転させて締付ける。
(10) トルシア形高力ボルトを使用する場合は、(1)および(2)によるほか、次の各項による
こと。
ア) 使用するボルト・ナットおよび座金のセットは、SRS25 による。
イ) ボルト製作工場出荷時の検査は、次による。
ア セットの締付け軸力試験は、原則としてボルト製作工場出荷時に製造ロットごとに行
い、その結果を報告する。
イ 試験の方法と合格判定値は、SRS25 による。
ウ) ボルトのセットの保管は、次による。
ア セットの出荷から締付けまでの保管期間は、原則として6 ヶ月までとする。
イ セットの保管にあたっては、予め保管場所、保管方法を届け出ること。工場出荷時の
品質が施工時まで保たれるように保管し、包装は施工直前に解く。また、湿潤状態とな
ったセットは廃棄する。
エ) 継手部の処理および添接の精度は次による。
ア 継手部材片の接触面の処理およびボルト頭、ナット側の材片表面の処理は、「10-9-3
高力ボルトの締付け (1)および(2)」による。
イ 添接部および重ね合せたフランジプレートなどの精度は、「10-12-1 ボルト連結部」
による。
オ) 締付け作業に先立ち、次により予備試験を行い、その結果を報告する。
ア 予備試験は、その日に使用するセットの全製造ロットのうち、一つの製造ロットから5
組の供試セットを選んで行い、供試セットの締付けボルト軸力の平均値は、セットの温
度が常温(10~30℃)、あるいは常温以外(0~10℃未満、30℃を超え~50℃未満)で締
イ ア の数値を満足しない場合は、同じ製造ロットについて倍数試験を行って表10-15 を
満足することを確認する。
ウ ア およびイ の数値を満足しない場合は、試験を行った製造ロットのセットを使用して
はならない。また、この場合、同じ保管状態とみなせるので、試験を行わなかった製造
ロットのセットを使用する場合には、施工に先立ってロット毎に供試セットを抽出して
ア および イ の規定に従って確認試験を行うこと。
エ 予備試験に使用する軸力計は検定を行いその結果を報告すること。検定の頻度は、現
場搬入時に1 回、搬入後は3 ヶ月に1 回を標準とする。また、軸力計は測定しようとす
る軸力の範囲において、基準となる計測機器が示す値の±3%以内の値を示すものとする。
カ) ボルトの締付けは、予備試験により算出した締付け軸力の60%程度の1 次締めを行った
後、マーキングし専用締付け機によって本締めを行う。
キ) ボルトの温度が 0℃以下または50℃以上の時には、締付け作業を中止する。
(11) 使用するサイズのボルトに対して予備試験が困難な場合は、使用ボルトと同じ製造メー
カーから同一時期に現場搬入され、かつ、同一の保管環境に置いた呼び径の等しいボルト
のうちから、試験可能なサイズのボルトを抽出して試験を実施する。

10-9-4 高力ボルトの締付け後の検査は、次によること。
(1) ボルト締付け後すみやかに行う。
(2) トルク法による場合は、次のいずれかの方法により行う。この場合の合格基準は表10-
13 に定めたボルト軸力の±10%までとする。
なお、F8Tについては、+5%~-10%とする。
ア) トルクレンチにより、各ボルト群の10%のボルト本数を標準として行う。
イ) 自動記録計の記録紙により行う。この場合は、原則として全数とする。
(3) ナット回転法による場合は、全数につきマーキングによる外観検査を行うこと。
(4) 打込み式高力皿ボルトの頭の出の許容値は、-1mm ~+1mm とする。
(5) 締め過ぎたボルトまたは締め不足のボルトについては、それぞれ取替えや、増し締め等の
処理を行うこと。
10-9-5 トルシア形高力ボルトの締付け後の検査は、次によること。
(1) ピンテールの溝部が破断されていること。
(2) ボルトの座金の共回りがなく、一群のナット回転量が揃っていること。
(3) ボルトの余長がナットより出ていること。
10-9-6 ボルト類の予備数
ボルトの予備数は表10-16 を標準とする。この数量には架設時の予備、キャリブレーショ
ン用のボルトを含むものとし、橋桁1 連につき形状および寸法の異なるごとに準備すること。
なお、使用ボルトの中に検定できるサイズがない場合には別途用意すること。

10-10 溶接継手
10-10-1 溶接施工管理者
溶接施工管理者として、日本溶接協会規格WES8103(溶接管理技術者認証基準)の溶接管理技
術者2 級以上の資格を有する者を常駐させること。
10-10-2 組立
(1) 組立に際しては、原則として支材やストロングバックなどの異材を母材に仮付けしないこ
と。また、補助治具を利用するなどして無理のない姿勢で組立溶接を行うこと。ただし、や
むを得ず、工場における部材反転や運搬等において、治具等を取付ける場合には、事前に取
付け方法を届出て承諾を受けること。
(2) 材片の組合せ精度は、溶接部の応力伝達が円滑で、かつ、溶接不良を起こさないものとす
る。
(3) 開先溶接を行う場合の材片の組合せ精度は、次の値を標準とする。
ア) ルート間隔の誤差 : 規定値 ± 1.0mm 以下
イ) 板厚方向の材片の偏心 : 薄い方の板厚の10%以下(板厚t≦50mm)
: 5mm 以下 (板厚t>50mm)
ウ) 裏当金を用いる場合の密着度 : 0.5mm 以下
エ) 開先角度 : 規定値 ±5°
(4) すみ肉溶接継手のルートには、1mm を超える隙間がないこと。1mm を超えるおそれのある
場合は、開先をつけて溶接すること。
10-10-3 主要部材の組立用溶接
(1) 組立用溶接は本溶接と同様の方法を適用し、原則として長さ80mm 以上として、本溶接箇
所に施工すること。組立用溶接のサイズは4mm 以上とし、その間隔は400mm 以下とすること。
(2) 組立用溶接は、低水素溶接棒を用いる被覆アーク溶接、またはガスシールドアーク溶接を
用いるのを原則とする。
(3) 予熱は、表10-17 によること。ただし、これによらない場合は、溶接割れ感受性組成
(PCM)から算定する予熱温度(Tp)を用いても良い。
なお、溶接割れ感受性組成(PCM)の計算には、次の式を用いること。
PCM=C+Mn/20+Si/30+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+Cu/20+5B (%)
予熱温度(Tp)は以下により算定すること。
Tp=1440Pw-392
Pw=PCM+HGL/60+K/400000
ここに、
Tp:予熱温度(℃)
PCM:溶接割れ感受性組成(%)
HGL:グリセリン置換法による溶接金属の拡散性水素量(ml/100g)
低水素系被覆アーク溶接の場合 HGL=2ml/100g
サブマージアーク溶接およびガスシールドアーク溶接の場合 HGL=1ml/100g
K:溶接継手の拘束度 K=200・t(N/mm・mm)
t:板厚、50mm 以上の場合は50mm とする
(4) すみ肉溶接および裏溶接のない開先溶接の場合で、ルートの隙間が大きいものは表10-
17 の条件にかかわらず表に示す温度の予熱を行うこと。
(5) 組立用溶接に割れが生じた場合は、健全な溶接部に達するまでその部分をはつり取り、必
要に応じて再度組立用溶接を行うこと。

注1: 予熱が不要な場合においても、作業場の温度が5℃以下の場合は50℃以上に予熱する。
注2: 炭素当量Ceq の計算には「10-10-15 溶接によって生じたひずみの処理(5)」に示す式を
用いること。
10-10-4 作業一般
(1) 工場溶接は、原則として屋内で行うこと。
(2) 工場溶接に用いる溶接法は、原則として被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接およびガ
スシールドアーク溶接とすること。
(3) 溶接面および隣接部分は、溶接に先立ち水分、錆、塗料、スラグごみなどを取除くこと。
さらに、サブマージアーク溶接の場合は、黒皮、プライマーもあってはならない。
(4) 溶接に際しては、組立治具および組立用溶接などにより、材片相互の位置を正確に保ち、
できるだけ部材に溶接ひずみが生じないように保持すること。ただし、この場合、割れを生
じさせないよう材片に過度の拘束を与えないこと。
(5) 溶接は、回転わく、傾斜台などを使用して、可能な限り下向きまたは水平の姿勢で行うこ
と。
(6) 溶接の手順および方向の選択にあたっては、なるべくひずみが生じないよう、かつ、残留
応力が小さくなるよう考慮すること。
(7) 溶接継手の開先形状は、設計図で指定されたものによること。指定のない場合は承諾を受
けること。
10-10-5 溶接工の資格
(1) 鋼構造物の本溶接および組立用溶接に従事する溶接工は、JIS Z 3801「手溶接技術検定に
おける試験方法及び判定基準」、並びにJIS Z 3841「半自動溶接技術検定における試験方法
及び判定基準」に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験(または、これと
同等以上の検定試験)に合格した者とし、1 年以上溶接工事に従事し、かつ、工事前6 ヶ月
以上引続きその工場において溶接工事に従事した者でなければならない。
(2) 直接列車荷重を支持する鋼構造物の本溶接および組立用溶接に従事する溶接工は、前項の
有資格者のうち付属書10-2 に示す、すみ肉溶接について適正な技量を有する者とすること。
(3) 鋼構造物の溶接に従事する溶接工は、その資格、経歴書およびすみ肉溶接技量試験要領書
を届出てすみ肉溶接技量試験結果の承諾を受けること。有効期間は3 年を限度とする。
(4) スタッド溶接に従事する溶接工は、スタッド協会によるスタッド溶接技術検定試験に合格
した者とする。
10-10-6 溶接施工試験
次のいずれかに該当する場合は、原則として施工計画書の製作方法に反映するため施工試験
を行うものとし、試験方法を届出て承諾を受けること。ただし、その工場において過去に同等
以上の条件で施工試験実績がある場合、その結果を提出し承諾を得た場合には、溶接施工試験
を省略することができる。
(1) サブマージアーク溶接、ガスシールドアーク溶接および被覆アーク溶接以外の溶接を採用
する場合。
(2) 「10-10-9 エンドタブ」に規定するエンドタブ以外のものを使用する場合。
(3) 表10-17 の予熱条件以外で施工する場合。
(4) 「10-10-10 溶接作業上の注意 (8)」の入熱制限を超えて溶接する場合。
(5) 自走台車やロボットで施工する場合。
10-10-7 溶接材料の管理
(1) 被覆アーク溶接を行う場合は、低水素系溶接棒を使用することを原則とする。
(2) 被覆の剥脱および汚損のある溶接棒、ならびに湿潤状態を経た溶接棒は使用しないこと。
(3) 溶接棒およびフラックスは、使用に先立ち所要の時間と温度で乾燥炉に保持し、十分な乾
燥状態で使用すること。
(4) 各鋼種に対する溶接材料の使用区分は、表10-18 によること。

10-10-8 予熱
(1) 予熱方法は、電気抵抗加熱法、固定バーナー、手動バーナーなどにより所定の予熱を行う
こと。ガス炎により予熱する場合は、結露に注意すること。
(2) 本溶接および組立用溶接に際し、「10-10-3 主要部材の組立溶接(3)」に示す予熱の条件
のいずれかに該当する場合は、溶接線から100mm の範囲が予熱温度を満足するよう予熱する
こと。
10-10-9 エンドタブ
(1) 主要部材の開先溶接およびサブマージアーク溶接によるすみ肉溶接の両端には、SM400 以
上の材質で継手と同様な開先をもった小片(以下「エンドタブ」という。)を付けて溶接を
行うこと。
(2) 溶接終了後、そのエンドタブをガス切断により除去し仕上げること。
(3) エンドタブの取付けにあたっては、本体との隙間は、1mm 以内とし、その取付け溶接は、
「10-10-3 主要部材の組立用溶接」に準ずること。
(4) 上記以外の材質および開先形状のものを使用する場合は「10-10-6 溶接施工試験」に
よること。
10-10-10 溶接作業上の注意
(1) 溶接作業場の温度が 0℃以下の場合には、原則として溶接を行わないこと。
(2) 完全溶込み溶接継手を行う場合の裏溶接は、健全な溶接部に達するまで裏はつりを行った
後に溶接すること。
(3) 材片集成後は特に湿気をさけ、サブマージアーク溶接は原則としてその日のうちに行うこ
と。翌日以降に施工する場合は、発錆のないことを確かめたうえ、十分清掃、防湿を行うこ
と。
(4) すみ肉溶接は、原則として材片の角で終らせず、回し溶接を行うこと。この場合、回し溶
接の長さは、原則としてすみ肉溶接のサイズの2 倍以上とすること。
(5) ビード端部およびビード継部は、クレータを十分埋めること。
(6) サブマージアーク溶接は、原則として部材の途中でアークを切らないこと。ただし、やむ
を得ずアークを切った場合は、ビード端部を50mm 以上の傾斜を付けてはつり取ってから、
溶接を続けること。
(7) サブマージアーク溶接から被覆アーク溶接等異なる溶接方法に移る場合は、サブマージア
ーク溶接のビード端部を50mm 以上はつり取ってから、被覆アーク溶接に移ること。
(8) SM570、SMA570、SM520 およびSMA490 の場合、1 パスの入熱量を7,000J/mm 以下、SM490、
SM490Y の場合、入熱量を10,000J/mm 以下にすること。
(9)溶接中および冷却時には、材片および部材に有害な衝撃または振動を与えないこと。
10-10-11 溶接部の品質
(1) 溶接ビードおよびその近傍には、いかなる場合も割れがないこと。
(2) 溶接部には、割れ、溶込み不足、有害なスラグの巻き込み、有害なブローホール、オーバ
ーラップ、クレータおよび径0.3mm 以上のピットがないこと。ただし、防錆上好ましくない
場合にはピットを補修すること。
(3) 溶接部の品質の許容差は、表10-19 を標準とする。
(4) 仕上げを指定された場合、アンダーカットが残らないこと。
(5) 表面仕上げを指定された場合の突合せ溶接部は、原則として板厚の10%以上の余盛を行
ってから、応力の作用する方向に平滑に仕上げること。この場合、母材を0.5mm 以上削りこ
まないこと。
(6) 止端仕上げを指定された溶接部は、止端部を5R 程度に仕上げること。この場合、母材側
の削り込み深さは0.5mm 以下とすること。
10-10-12 多層盛溶接
(1) 多層盛溶接は、その日のうちに最終層まで完了することを原則とする。
(2) 多層盛りの各層は、次層の溶接に先立ち、その表面からスラグ、スパッタなどを除去し、
清掃すること。溶接材料の取替えおよび最終層の溶接終了時も同様に行うこと。
(3) 多層盛溶接ではパス間温度の管理に十分留意しなければならない。特に調質鋼の場合はじ
ん性や強度を低下させないようパス間温度を適切に設定することとする。
(4)一般に、570N/mm2 級の鋼材は230℃以下、それを超える強度を有する鋼材では200℃以下に
パス間温度を管理する必要がある。

10-10-13 スタッド溶接
(1)高さ1mm、幅0.5mm 以上の余盛が全周にわたり包囲していること。
(2)割れおよびスラグ巻込みがないこと。
(3)鋭い切欠状のアンダーカットおよび深さ0.5mm 以上のアンダーカットがないこと。
(4)スタッドの仕上り高さは、設計値±2mm を超えないこと。
(5) スタッド溶接はスタッド協会が実施する「スタッド溶接工技術検定試験」に合格した者。
(6) 上記(1)~(3)の外観検査の結果,合格となったスタッドの中から1%について抜取りで曲げ検
査を実施し、割れ等の欠陥が生じないものを合格とする。不合格の場合は、さらに2 倍の本数
について検査を行い、全数合格をもって合格とする。なお、曲げ検査は,ハンマー等で打撃を
あたえ、15 度以上曲がるようおこなうものとする。
7) 外観検査および曲げ検査の結果が不合格となったスタッドは、溶接等により補修は行わずス
タッドを完全に除去し、再度施工するものとする。
10-10-14 溶接部の試験および検査
(1) 溶接部の品質が「10-10-11 溶接部の品質」を満足していることを確認すること。
(2) 溶接部の非破壊検査は、次によること。
① 完全溶込みを指定された突合せ溶接継手は、原則として放射線透過試験とし、板厚が厚い、
板厚差が大きい、T継手および十字継手やその他構造上放射線透過試験が困難な場合は超音
波探傷試験により検査をおこなうこととする。
②非破壊検査は以下の継手は必要に応じて省略することができる。
ア) トラスの耐震連結構の突合せ溶接継手。
イ) ボックス桁内部の補剛用横リブと垂直補剛材および補剛用横リブ下フランジと水平補剛
材とを連結する箇所の突合せ溶接継手。
ウ) 主桁フランジと横綾構あるいは、横桁下フランジを連結するガセットプレート(格子作
用を考慮する場合の横桁のガセットプレートを除く)の開先溶接継手。
③ 放射線透過試験および検査は、次によること。
ア)放射線透過試験は、設計図において、余盛りを取除いてから表面の仕上げを行うことが
指定された場合には、表面を仕上げた後に、JIS Z 3104 のA 級の像質で撮影すること。
イ) 表10-20 に示す試験箇所について行い、その分類に合格しなければならない。ただし、
端部以外の撮影範囲で不合格の場合は、その溶接線全長にわたって検査し、不合格箇所は
補修すること。
ウ) 補修方法は表10-22 により、また、補修箇所に対しては、再度検査を行うこと。
エ) 透過写真のフィルムの長さは、原則として300mm 以上とすること。
オ) 透過写真が連続して2 枚以上となるときは、フィルムを一部重ねて投影すること。
カ) 撮影の範囲は、エンドタブを少なくとも20mm 含むこと。
キ) 判定の対象は母材の溶接部のみとすること。
ク) エンドタブを切落してから撮影する場合、散乱線防止用鉛板は、縁から1mm 以上母材を
覆わないこと。
④ 放射線透過試験に従事する技術者は、JIS Z 2305 (ISO 9712)「非破壊検査-技術者の資
格及び認証」により放射線透過試験部門のうち、次の資格以上の者、または、これと同等以
上の資格を有する者とすること。
ア)撮影および分類(判定)を行う技術者に対しては、レベル2 の資格者
イ)特別な仕様の場合、および高度な判断を要する場合は、レベル3 の資格者
⑤ 超音波探傷試験および検査は、次によること。
ア)超音波探傷試験および検査はJIS Z 3060「鋼溶接部の超音波探傷試験方法」およびJIS Z
3070「鋼溶接部の超音波自動探傷方法」により、その要領は次のとおりとする。検出レベ
ルはL 検出レベルを基本とする。
イ)超音波探傷検査は全数検査するものとする。
ウ)きず指示長さによる分類が列車荷重を受けるものはJIS Z 3060「鋼溶接部の超音波探傷
試験方法」付属書7 の1 類以上、受けないものは2 類以上をもって合格することとする。
ただし、横突合せ溶接継手および荷重伝達型の十字溶接継手において疲労強度をD 等級と
して設計図で指示されている場合には、表10-21 に示す許容実きず長さにて合否判定を
行うこととし、検出レべル(L 検出レベル、またはL/2 検出レベル)について、あらかじ
め届け出ること。
エ)不合格の場合は、表10-22 により補修を行う。また補修箇所に対しては、再検査を実施
する。
オ)あらかじめ検査要領書を届出て、試験装置、試験方法および検査について承諾を受ける。
⑥超音波自動探傷試験に従事する技術者は、JIS Z 2305 (ISO 9712)「非破壊検査-技術者の
資格及び認証」による超音波探傷試験部門のうち、次の資格以上の者、または、これと同等
以上の資格を有する者とすること。
ア)探傷装置の操作を行う技術者に対しては、レベル2 の資格者
イ)判定を行う技術者に対しては、レベル3 の資格者
なお、手探傷の探傷および判定を行う技術者は、レベル2 の資格者とする。

(注) 1.主として曲げモ-メントを受ける部材とは、「プレートガーダー」、「縦桁」、「縦リブ」、
「横桁」、「ラーメン」、「受桁」、「アーチ類の曲げモ-メントおよび軸力を受ける部材」な
どをいう。
2.主として軸力を受ける部材とは、「トラス主構部材」、「アーチ類の軸力のみを受ける部
材」などをいう。また、引張り部材とは、作用する応力の範囲が引張領域に及ぶものをい
う。
3.横桁のニーブレス部の腹板の水平継手は、偶角部のみ始端部を1 枚とればよい。

10-10-15 溶接によって生じたひずみの処理
(1) 溶接によって生じたひずみは、機械的方法または加熱方法で矯正すること。ただし、この
場合溶接部および母材を傷つけないこと。
(2) 加熱矯正の場合、加熱温度の上限の目標は900℃とし、赤熱状態からの水冷を避けること。
(3) (2)においてSM490、SMA490、SM490Y およびSM520 に対しては、650℃以下に温度が下がる
まで水冷を行わないこと。
(4) SM570Q およびSMA570Q などの調質鋼および熱加工制御鋼(TMCP 鋼)は、原則として加熱矯
正を行わないこと。加熱を行う場合は鋼材の表面温度は600℃以下とし、冷却法は空冷によ
ること。ただし、施工試験を行い、承諾を受けた場合は、その方法によってもよい。
(5) TMCP 鋼は原則として加熱矯正を行ってはならないが、承諾を受けた場合は温度管理を確実
に行ない、以下の方法によること。
Ceq>0.38 の場合、表面温度900℃以下で加熱矯正を行い、空冷または空冷後500℃以下で
水冷とする。
Ceq≦0.38 の場合、表面温度900℃以下で加熱矯正を行い、水冷または空冷とする。
なお、Ceq は以下の式で与えられる。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14(+Cu/13) (%)
ただし( )内はCu≧0.5%の場合加える
10-10-16 主要部材への付属物の取付け
主要部材に排水金具、吊金具、架設用治具などの付属物を取付ける場合の溶接は、主要部材と
同等の管理を行うものとする。
10-11 欠陥の補修方法
(1) 溶接部等に発生した欠陥の種類と、その補修方法は、表10-22 によること。
なお、※印のものについては、補修方法を届出て承諾を受けること。
(2) 前項で溶接を用いて補修する場合、ビードの大きさおよび予熱に関しては10-10-3 に規
定する組立溶接の項を適用して、ショートビードを避けること。

10-12 ボルト連結部、補剛材等の精度
10-12-1 ボルト連結部
ボルト連結部および重ね合わせたフランジプレートなどの精度は、設計図で指定された場
合を除き、次によること。(図10-1 参照)

(1) ボルト連結部の部材縁端の不揃いは、2mm 以下とする。
(2) ボルト連結部における各材片の突合せる縁端相互の隙間は、5mm 以下とする。
ただし、設計図で隙間の寸法が指定された場合の許容差は、±3mm とすること。
(3) 連結板が当たる面は、密着に注意し、原則として3mm 以上の段違いがないこと。1mm 以上
の段違いに対しては、グラインダなどを用いて、部材面を1/10 以下の傾斜に均すこと。3mm
を超える段違いが生じた場合は、その処置について承諾を受けること。
10-12-2 補剛材等
中間補剛材および中間ダイアフラムの材端で、フランジプレートと溶接しない側は、フラ
ンジプレートの内面に接するよう注意し、1mm 以上の隙間があってはならない。
なお、フランジプレートと溶接する側の材端は、「10-10-2 組立 (4)」によること。
10-12-3 ピンおよびローラー
(1) ピンおよびローラーの径の寸法許容差は、±0.2mm とし、相隣り合うローラーの径の差は、
0.1mm 以下とすること。
(2) ピンとピン孔の径の許容差は、±0.1mm とすること。
(3) 部材にピンを打込む場合は、パイロットナットおよびドライビングナットを使用するこ
と。
10-13 鋳造品
(1) 鋳造品は、原則として押湯を付けて製造し、品質が均一で、す(気泡)、割れ、歪みなど
有害な欠陥がないこと。
(2) 鋳造品の製造には、原則として乾燥砂形を使用すること。
(3) 鋳造品の鋳放し部の厚さの許容差は、-5%とすること。
(4) 鋳造品は、原則として鋳造応力除去のための焼鈍を行うこと。
10-14 製作寸法許容差
鋼構造物の製作寸法の許容差は、設計図で指定された場合を除き、表10-23 によること。
なお、主要部材において、鋼板を使用した溶接による断面構成を行なわず、形鋼を使用する
場合の断面形状および寸法の許容差は、JIS G 3192「熱間圧延形鋼の形状、寸法、質量及び
その許容差」に準じてもよい。
10-15 仮組立
(1) 承諾を得た場合を除き、原則として仮組立を行い、仮組立検査を実施すること。
(2) 仮組立を行う場合の精度は、表10-23 によることを原則とする。なお、これによれない
場合には、あらかじめ監督員に届出て承諾を受けること。
(3) 仮組立は、全体を同時に行うのを原則とする。この場合、強固な基礎の上に、地上約70
㎝の高さの受台を用い、各部材が無応力状態となるよう組立てること。部分仮組立を行う
場合は、あらかじめ届出て承諾を受けること。
(4) 仮組立の順序は、原則として現場の架設方法の制約を考慮して行うこと。
(5) 主要部材の仮組立において、連結部の高力ボルト孔の1 群ごとに20%以上(ただし、腹
板は10%以上)のボルトを用いること。なお、一群の 5%以上は、ドリフトピンとすること。
(6) 現場でボルト連結がある主要部材には、架設用基準孔(パイロットホール)を設けるこ
とを原則とする。

注)※1.基準キャンバーは、出来あがりのキャンバーから、7 の許容差を考慮して決定する。
※2.印のものは、次の箇所で測定する。
ア)下路桁では、横桁および、縦桁の対傾構(支材)箇所の締結装置の位置
イ)上路桁では、対傾構(ダイヤフラム)箇所で、2~3m 毎の締結装置の位置
※3. まくらぎ受桁は本設構造かつ溶接構造に適用する。

10-16 表面処理工
(1)塗装は、「13 塗装工」によること。
(2)溶融亜鉛めっきは、SRS 02(橋梁のめっき要領)によること。
(3)溶射は、適切な処理工法を届出て、承諾を受けること注)。
注)以下の文献等を参考にすること。
鋼道路橋塗装・防食便覧、日本道路協会、鋼橋の常温金属溶射設計・施工・補修マニ
ュアル(案)(改訂版)、鋼構造物常温溶射研究会
10-17 表面補助処理工
無塗装構造物においてさび安定化補助処理を行う場合には、塗装の場合に準じて行えばよ
いが、詳細は各処理剤の使用法によること。なお、さび安定化補助処理剤の目的や特性等に
ついては、「耐候性鋼橋梁の可能性と新しい技術、H18.10 版、日本鋼構造協会テクニカルレ
ポ-トNo.73」等を参考にすること。
10-18 組立符号
(1) 現場で組立を要する鋼構造物は、組立符号を見易い箇所に塗料で記入すること。ただし、
塗装してはならない部材では、荷札を付けるなどの方法によること。
(2) 1 個の重量が、50kN 以上の部材は、重量および重心位置を見易い位置に記入すること。
ただし、特殊な形状の部材は、20kN 以上とすること。
(3) 組立符号および重心位置を記入する塗料は、その上に塗る塗料に、有害なものを用いな
いこと。
(4) 海上輸送を行う場合、輸送中はシート等による保護を、輸送後は水洗いを行うこと。
10-19 製品の表示
鋼構造物には、指定の箇所にネームプレートを取付けること。
10-20 荷造りおよび運搬
(1) 製品運搬中に損傷の恐れがある部分には、損傷防護処置を施すこと。
(2) ボルト類は、荷造りに先立ち表面潤滑処理を施した座金を除き、適切な防錆処理を施す
こと。
(3) ボルト類は、品質を損なわないように箱に納め、箱には品名、種類、規格等を表示する
こと。
10-21 品質管理
品質管理は次の項目について行うこと。
10-21-1 作業管理
作業の管理にあたっては、管理シートにより管理すること。管理シートにより管理すべき
項目は、表10-24 によること。

10-21-2 購入物品の資料整理
製品を外注・購入するときは、あらかじめ届出ること。
外注または購入物品の受入に際し、品質特性を客観的に示した資料を収受し、表10-25 に
より整理しておくこと。

10-21-3 試験および検査は表10-26 によりおこなうこと。

10-22 施工記録
次の資料をすみやかに報告すること。
(1) 原寸検査報告書
(2) 材料検査報告書
(3) 仮組立検査報告書または部材検査報告書
(4) 放射線透過試験報告書または超音波探傷試験報告書
(5) 高力ボルト検査報告書
(6) 高力ボルト締付け検査報告書
(7) 塗料検査報告書、さび安定化補助処理剤検査報告書
(8) 塗装検査報告書、溶融亜鉛めっき検査報告書、溶射検査報告書
(9) 組立符号図
(10) 荷造り明細書
(11) 外注購入品に対する検査報告書
(12) その他必要な検査報告書
10-23 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 原寸検査状況
(2) 材料検査状況
(3) 溶接検査状況
(4) 仮組立検査状況または部材検査状況 (工場で本組立を行う場合には、組立検査を追加
する)
(5) 非破壊検査状況
(6) 高力ボルト締付け検査状況
(7) 塗料の購入量および使用量に関する検査状況
(8) 塗料検査状況(溶融亜鉛めっきを行う場合は、めっき検査状況、溶射を行う場合は、溶
射検査状況)
(9) その他外注購入品に対する検査状況
(10) 施工試験を行った場合には、施工試験状況
(11)各作業段階ごとの状況(切断、開先、孔あけ、曲げ、組立、溶接、仕上げ、矯正、補修等)

 

 

 

 

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