線路下横断工

6-1 適用範囲
営業線の線路下横断工事に適用する。
6-2 施工計画書
6-2-1 JES工法におけるエレメントの工場製作
JES工法におけるJESエレメントおよび列車荷重を受ける仮設エレメント等の工場製作にあ
たっては、各々、付属書6-1 および付属書6-2 によるものとし、次の事項を記載した施工計画書
をあらかじめ届出て、承諾を受けること。
(1) 製作・納入の注文先
(2) 品質管理実施計画書
(3) 調整エレメントの工場製作
(4) その他
6-2-2 エレメントの工場製作(パイプルーフ、箱型ルーフ、角型鋼管、PCR桁等)
エレメントの工場製作にあたっては、次の事項を記載した施工計画書(製作要領書)をあらかじ
め届出て、承諾を受けること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程
(3) 機械器具類
(4) 施工方法
(5) 品質管理(品質管理記録、工事写真等)
(6) 点検
(7) 計測管理
(8) 異常時対策
(9) その他
6-2-3 現場施工
線路下横断工の施工にあたっては、非開削工法設計施工マニュアルおよび線路下横断工計画マニ
ュアルに基づき、次の事項を記載した施工計画書をあらかじめ届出て、承諾を受けること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程(貫入時期・時間帯)
(3) 機械器具類
(4) 施工方法
(5) 品質管理(品質管理記録、工事写真等)
(6) 点検
(7) 計測管理
(8) 異常時対策
(9) 軌道変状リスク対策
(10)その他
6-3 施工管理者
線路下横断工の施工にあたっては、2 年以上の線路下横断工事を含む5 年以上の営業線近接工事の
実務経験を有する施工管理者を現場に常駐させること。ただし、エレメント・函体貫入工にあたっ
ては、エレメント・函体貫入工に十分な専門知識を有する者とする。工事桁工にあたっては、基礎
工、鋼構造物の組立、架設および現場溶接に十分な専門知識を有する者とする。
6-4 反力設備
反力設備は、けん引中の反力または推進中の反力を支持することができる構造とすること。
6-5 エレメント工
6-5-1 エレメントの製作
(1) エレメントが鋼構造物の場合(JESエレメントを除く)は、次の各項によること。
12 一般構造物の製作・運搬・建方
12-3 材料
12-4 原寸およびけがき
12-5 切断
12-6 曲げ加工
12-7 ボルト継手
12-8 溶接
12-10 部材の製作寸法許容差
12-12 表面処理工および表面補助処理工
12-14 荷造りおよび運搬
12-15 建方
12-16 施工記録
12-17 工事写真
(2) エレメントがPC構造物の場合においては次の各項によること。
9 プレストレストコンクリート工
9-2 施工計画書
9-3 施工管理者
9-4 材料
9-5 施工
9-6 施工の許容差・基準
6-5-2 エレメントの貫入
(1) 施工に先立ち、支障物の有無について確認すること。
(2) 酷暑期の貫入は避けること。(酷暑期とは、大気温度30℃以上、レール温度45℃以上となる期
間をいう。)ただし、やむを得ず酷暑期に施工する場合には、監督員の指示を受けること。
(3) 鉛直部エレメントの貫入作業時に、エレメント背面に空隙が確認された場合には、エレメント
施工後速やかにエレメント内側等から裏込め注入を行うこと。
(4) 貫入作業期間中は、路盤隆起、路盤陥没、出水、軌道状態等を常時監視するとともに、掘削状
況、貫入速度、排土の状況等で異常が認められた場合には必要な処置を講じること。なお、連続
雨量が20mm を超えた場合は、監視員が3~4 時間の周期で点検を行い、異常が認められた場合に
は必要な処置を講じること。
(5) 止水目的の薬液注入工を補助工法として用いる工事において、降雨等によりエレメント周辺か
ら異常出水または土砂流出が想定される場合等、止水効果の減少が軌道に大きな影響を生じさせ
るおそれのある場合は、エレメント工の施工中、エレメント貫入作業時を除き常時、監視員を配
置すること。
6-5-3 エレメントけん引工
(1) 基準管をけん引するための水平ボーリングは、エレメント貫入の施工精度を確保できるよう施
工すること。
(2) けん引に用いるPC鋼より線は、あらかじめ傷み・傷等の有無、程度について、けん引中に破
断しないよう使用前に検査すること。
6-5-4 エレメント推進工
基準管の推進にあたっては、方向修正装置などにより施工精度を確保すること。
6-5-5 エレメントの接合
エレメントを継ぎ足す場合は、目違い、折れ角などが生じないよう施工すること。
6-5-6 切羽防護
貫入作業を中断する場合には、切羽の安定を保つよう防護すること。
6-5-7 施工精度
エレメント貫入の施工精度(水平・鉛直共)は、施工距離に対して±0.2%を標準とする。また、
全エレメントの施工精度の測定記録を報告すること。
6-5-8 エレメント中埋(JES工法他のエレメントを本設構造物とする工法の場合)
(1) エレメント内の清掃
エレメント内には、泥土などが付着しているので、ウォータージェット等で十分に清掃を行い、
その後漏水等がないことを確認すること。また、確認後、全エレメントについて、エレメント内
の写真を撮影すること。
(2) 中埋工
中埋工は、「8 無筋および鉄筋コンクリート工」によるほか、空隙が残らないように充填すること。
(3) 緊張工
緊張工は、「9 プレストレストコンクリート工」によること。
6-5-9 継手グラウト充填工(JES工法の場合)
(1) 継手グラウトの品質は、次の性能を有し、その材料についてあらかじめ承諾を受けること。
ア)所定強度30N/mm2程度を有する。
イ)空隙のない充填とするための流動性を有する。
ウ)過度の外部漏出のない粘性を有する。
エ)材料分離がなく、均質性を有する。
オ)体積収縮がなく、安定性を有する。
なお、継手グラウトの品質は表6-1 を標準とする。試験方法は、次のJIS および土木学会規準
によること。
比重 JIS R 5201 の準用 コンシステンシー JSCE-F531
膨張率 JSCE-F542 ブリーディング率 JSCE-F532
圧縮強度 JSCE-F505
表6-1 継手グラウトの品質
コンシステンシー
JAロート使用
膨張率 ブリーディング率 圧縮強度
流下時間(秒)
練り混ぜ後の経過時間
が20 時間以上(%)
(%) 28 日(N/mm2)
13~19 0.5~0 0 30 以上
(注) 1.膨張率は、20 時間で測定する。
2.供試体は28 日以上室内に静置し、異常膨張のないことを確認する。
(2) 継手グラウトの配合は、試験練りを行い所要の品質が得られる配合を定めること。また、セメ
ントタイプの継手グラウトの配合例を表6-2 に示す。
表6-2 継手グラウト材の配合例
水セメント比
W/C(%)
継手グラウト1m3当たり(㎏) 強度(N/mm2)
比重
無収縮性グラウト 水 δ28
45 1.276 574 30 1.82
(3) 使用する機器は、次の性能を有すること。
ア)施工中は、継手グラウト専用とする。
イ)充填量、圧力の調節機能を有する。
ウ)安全弁、圧力計および安全装置を有する。
エ)注入ポンプは、軽量コンパクトで、エレメント内への持ち込みが可能なものとする。
(4) 継手グラウトの施工は、次によること。
ア)充填は、エレメント内側の継手に設けた充填孔より行うものとする。
イ)充填延長は、1 スパン10m を基準とし、施工条件に応じ調整するものとする。
ウ)充填端部にはエアー抜きを設けるものとする。
エ)エレメント内側の継手目地部は、グラウト漏出防止コーキング処置を施すものとする。また、
グラウト漏出防止コーキングは、継手部の水密性を維持できる方法とすること。
(5) 継手グラウト充填の性能および品質を確保するために、次の品質管理を行うこと。
ア)継手グラウト充填は、所要の品質を満足すること。継手グラウトの品質は、表6-1 を標準
とする。比重管理は、吐出口から採取された継手グラウトの比重が、試験練り時の継手グラウ
ト比重と許容差±0.05 範囲で、洗浄水等で希釈されていないこと。
イ)充填時の継手グラウト材は、表6-3 に示す頻度で品質管理(コンシステンシー、膨張率、
ブリーディング率、圧縮強度、比重測定)を行うものとする。
表6-3 継手グラウト注入の品質管理方法
試験項目 採取箇所 試験の標準頻度 試験方法
コンシステンシー タンク内 全充填孔箇所で注入開始時に各1 回
膨張率 土木学会規準による
ブリーディング率
圧縮率
タンク内
1.施工日の第1 バッチで各1 回
2.配合、またはミキサーを変更した
ときの第1 バッチで各1 回
比重 吐出口 全吐出孔箇所で吐出時に各1 回 JIS 基準に準拠し計測
ウ)充填したグラウトの品質は、タンク内および吐出口から採取された継手グラウトのコンシス
テンシー、膨張率、ブリーディング率、圧縮強度、比重が所要の品質管理方法は、表6-3 に
よる。
エ)充填の確認は、エアー抜きからの吐出状況で行うものとする。
オ)品質管理結果は、継手グラウト充填の施工終了後、すみやかに、「継手グラウト充填報告書」
により報告すること。
カ)グラウト充填後、所定強度が発現するまでは継手部に過度の衝撃、外力を与えないこと。
注) 「継手グラウト充填報告書」とは、材料、配合、ミキサー、ポンプの仕様、注入日、天気、
気温、充填方法、充填量、継手グラウト温度、継手グラウト材料の品質管理結果を記載した
資料をいう。
6-6 函体工
6-6-1 函体コンクリート
函体コンクリートは、「8 無筋および鉄筋コンクリート工」によること。
6-6-2 導坑
導坑は、「15 山岳トンネル工」の矢板工法によること。
6-6-3 函体貫入
(1) 函体の貫入作業は、原則として線路閉鎖間合いで施工すること。
(2) 線路閉鎖解除時間までに軌道を基準値以内に整備すること。
(3) 酷暑期の貫入は避けること。ただし、やむを得ず酷暑期に施工する場合には、監督員の指示を
受けること。
(4) 函体けん引工法において、けん引に用いるPC鋼より線は、あらかじめ痛み・傷等の有無、程
度について検査すること。
(5) フロンテジャッキング工法において、函体と水平方向エレメント間との土砂が落下し路盤沈下
を生じるおそれのあるときは、適当な間隔保持材等を用いて沈下を最小限に抑えること。
(6) フロンテジャッキング工法、BR工法およびSC工法において、函体と鉛直部エレメントとの
間の土砂が崩落しエレメントが函体側に変形するおそれのあるときは、鉛直部エレメント背面へ
の薬液注入や鉛直部エレメント移動防止工等を用いて変形を最小限に抑えること。
(7)貫入作業期間中は、路盤隆起、路盤陥没、出水、軌道状態等を常時監視するとともに、掘削状
況、貫入速度、排土の状況等で異常が認められた場合には必要な処置を講じること。なお、連続
雨量が20 ㎜を超えた場合は、監視員が3~4 時間の周期で点検を行い、異常が認められた場合に
は必要な処置を講じること。
6-6-4 切羽防護
作業を中断する場合には、切羽の安定を保つよう防護すること。
6-6-5 裏込め注入
函体と鉛直部エレメント間の裏込めは、函体内側からの裏込め注入だけでなく、鉛直部エレメン
ト内側からの裏込め注入を併用して、確実に空隙を埋めること。
6-6-6 検査記録
全函体の貫入後、高さ等の測定結果の記録を報告すること。
6-7 点検
工事中においては、次の各項目について点検を行い、異常が認められたときは、監督員に報告す
るとともに、すみやかに必要な措置を講じること。
(1) 軌道状態
(2) 路盤沈下
(3) 路盤隆起
(4) 酷暑期のレール張り出し
(5) 立 坑
6-8 計測管理
計測管理を行う場合は、次によること。
(1) 現場の状況を考慮した測定項目をあらかじめ定めておき、定期的に計測を行うこと。
(2) 計測によって得たデータは、現場施工に反映させ、管理基準に収めた施工とすること。
(3) 管理基準値を超えた場合は、すみやかに対策を立てられる管理体制を整えておくこと。
(4) 計測データ等は監督員に毎月1 回以上報告すること。
6-9 軌道整備
線路下横断工事にあたっては、軌道状況を適切な方法で監視・測定し、軌道変位が認められたと
きは管理基準値に収めるための軌道整備を行うこと。また、軌道整備を終えたときは、検測簿によ
り報告すること。
6-10 工事桁工
工事桁の架設は、次によること。
(1) 工事桁架設は、「11 鋼構造物の現場組立、架設および現場溶接」によること。
(2) 鋼構造物およびシューは、所定の位置に正確に据付けること。
(3) 工事桁を移動するときは、部材に損傷を与えないこと。
(4) 特に指定された場合は、所定の時間に架設を完了するものとし、その順序、方法、および機械
器具類はあらかじめ承諾を受けること。
6-11 施工記録
次の資料を報告すること。
(1) コンクリートの品質管理記録
(2) 材料の規格証明書または試験成績書
(3) JESエレメント品質管理の検査・確認記録
(4) 仮設エレメント等の品質管理の検査・確認記録
(5) 継手グラウト充填報告書
(6) 裏込注入材、注入記録
(7) 線路下横断工事の施工記録表
6-12 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。なお、コンクリート工によるものについては、「8
無筋および鉄筋コンクリート工」、工事桁基礎によるもののうち杭については、「7 基礎工」、仮橋
台、仮橋脚は「11 鋼構造物の現場組立、架設および現場溶接」および「8 無筋および鉄筋コン
クリート工」、工事桁架設によるものについては、「11 鋼構造物の現場組立、架設および現場溶接」
によることとする。
(1) 製作寸法検査状況(JESエレメントの場合)(報告)
(2) 高力ボルト取付状況(JESエレメントの部材に高力ボルトを使用している場合のみ)(報告)
(3) 溶接部非破壊検査状況(JESエレメントの場合)(報告)
(4) エレメント製作における各種試験、仕上がり検査状況(JESエレメントを除く)(報告)
(5) 清掃後の全エレメント内状況(報告)
(6) コンクリートの品質管理状況(報告)
(7) 継手グラウトの品質管理状況(報告)
(8) PC鋼材組立検査状況(鋼管エレメント横締工法の場合)(報告)
(9) 緊張管理状況(鋼管エレメント横締工法の場合)(報告)
(10) 刃口据付位置検査状況(函体工の場合)(報告)
(11) 内装工設置状況(報告)

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