薬液注入工

4-1 適用範囲
薬液注入工事に適用する。
4-2 施工計画書
注入の施工にあたっては、次の事項を記載した施工計画書をあらかじめ届出て、承諾を受け
ること。
(1) 施工体制
(2) 作業工程
(3) 施工方法(注入方式、注入孔の配置、注入順序、ステップ間隔等)
(4) 品質管理計画(注入材の品質管理項目、試験回数等)
(5) 注入効果の確認(確認方法、位置、数量等)
(6) 機械器具類
(7) 使用材料(注入材の成分表および配合表等)
(8) その他
4-3 施工管理者
注入の施工にあたっては、「2 級土木施工管理技士(薬液注入)」、またはこれと同等以上の専
門知識を有する者を施工管理者として現場に常駐させること。
4-4 注入工
4-4-1 調査
注入の施工に先立ち環境保全および事故防止のため、次の調査を実施し、その結果を報告す
ること。
(1) 注入区域周辺の井戸、公共用水域等の使用目的、使用状況、位置、形状、深さ、構造等
なお、特に指定された場合には、水質検査を行うこと。
(2) 注入区域内およびその付近の埋設物の名称、位置、規格、構造等
4-4-2 主要機械器具類
(1) 注入ポンプは、吐出量を可変でき圧力計を整えたものを用いること。
(2) 注入パイプには、注入圧力、注入量、注入時間を示す自記記録計およびグラウト濃度管理
装置を設置すること。ただし、自記記録計によらず他の管理装置を用いて施工を行う場合は、
付属書4-1 に基づき施工計画書を作成して承諾を受けること。
(3)薬液注入管理については、グラウト濃度管理装置を使用すること。ただし、注入量が50m3
未満のものについてはこの限りではない。
(4) 水ガラスタンクからミキサーまでの間に、水ガラス用積算流量計(薬液協会認定品か発注
者指定品)を設置すること。
4-4-3 注 入 材
(1) 現場へ搬入する注入材の品質並びに数量は、表4-1 に示す証明書を添えて報告すること。
なお、注入材の入荷時には受注者(元請)の施工管理者は全数立会いのうえ、入荷量、材料の
品質を確認するとともに納品書にサインをすること。
(2) 注入材は、表4-2-1~3 の条件を満足すること。現地の状況等により、これによれない
場合は、監督員の指示による。
表4-1 材料品質・数量関係報告資料
№ 材料 種類 資料 発行元 報告時期 その他
1
水ガラス
(JIS K
1408
規定品)
品質証明
品質規格 製造者 着工前
検査成績表 〃 着工前および1月毎
数量証明
納品書・出庫伝票
納品の都度
計量票・台貫証明
2
水ガラス
(JIS K
1408
規定外)
品質証明
品質規格 製造者 着工前 事前に日本
薬液注入協
検査成績表 〃 着工前および1月毎 会に届出る
数量証明
納品書・出庫伝票
納品の都度
計量票・台貫証明
3
水ガラス
ドラム缶
納入
品質証明 No.1 またはNo.2 に準ずる
数量証明 納品書 製造者
立会による
数量確認、
ドラム缶撤
去時含む
4
硬化材
助剤
品質証明
品質証明書 〃 着工前
分析結果報告書
公的機関
または
準ずる機関

旧総理府令
に定める排
水基準
数量証明 納品書
製造者
または
商社
納品の都度
表4-2-1 注入材の種類(二重管ストレーナー(単相式))
種別
注入材の分類
標準配合
(1m3当り)
ゲルタ
イム
無機系または 注入率
有機系
溶液型または
懸濁液型
薬液注入工
(二重管スト
レーナー(単
相式))
※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例
無機系 溶液型
A 液
水ガラス 0.200 m3
水 0.300 m3
計 0.500 m3
B 液
硬化材 30 ㎏
助材 15 ㎏
水 0.478 m3
計 0.500 m3
S 35
ゲルタイム凡例 S:数秒から数十秒、M:数分、L:数十分
表4-2-2 注入材の種類(二重管ストレーナー(複相式))
種別
注入材の分類
標準配合
(1m3当り)
ゲルタ
イム
無機系または 注入率
有機系
溶液型または
懸濁液型
薬液注入工
(二重管スト
レーナー(複
相式))
※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例
有機系 溶液型
A 液
水ガラス 0.250 m3
水 0.250 m3
計 0.500 m3
B 液
硬化材 17.5 ㎏
助材 (S)47.5 ㎏
(M)32.5 ㎏
水 0.440 m3
計 0.500 m3
S・M 40
ゲルタイム凡例 S:数秒から数十秒、M:数分、L:数十分
表4-2-3 注入材の種類(二重管ダブルパッカー工法)
種別
注入材の分類
標準配合
(1m3当り)
ゲルタ
イム
無機系または 注入率
有機系
溶液型または
懸濁液型
薬液注入工
(二重管ダブ
ルパッカー)
※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例
混濁液型 1 次注入
セメント 500 ㎏
ベントナイト 50 ㎏
水 0.820 m3
計 1.000 m3
L 10
※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例 ※記入例
無機系 溶液型 2 次注入
水ガラス 0.250 m3
硬化材
0.045~0.060 m3
水 0.690~0.705 m3
計 1.000 m3
L 30
ゲルタイム凡例 S:数秒から数十秒、M:数分、L:数十分
(3) 注入材の配合は、現場配合試験を行い次の事項について確認し、適切な現場配合とし報告す
ること。なお、特に指定された場合は、ホモゲルあるいはサンドゲルの圧縮強度試験により
強度の確認、または、透水試験により透水係数の確認を行うこと。
ア) 水質、水温
イ) ゲル化時間
ウ) 比重
エ) 六価クロム溶出試験(必要により)
オ) その他
(4) 材料は、風化、変質しないよう保管すること。なお、風化、変質した場合は新品に取り替
えること
4-4-4 注入プラントの設置
農作物、地下水等の汚染のおそれのある場合は、注入プラントの周囲をシ-トで覆うなどの
処置を講ずること。
4-4-5 注入順序
(1) 注入順序は、地下水の状態、構造物との位置関係等を考慮して、注入効果が良好となる順
序により行うこと。
(2) 各孔の注入順序は、地盤の状態、注入材の逸出防止等を考慮して、適切なステップにより
均質な注入を行うこと。
4-4-6 注入試験
注入量が 500m3 程度以上の工事の場合や注入の設計上の重要度が大きい場合は、原則として
現場注入試験を行い、注入効果の確認を行うこと。
4-4-7 注入速度
注入速度は、周辺に悪影響をおよぼさない範囲で均質な注入となるよう設定すること。
4-4-8 ためし注入
本作業に先立ち、原則としてためし注入を行い、次の項目についてその結果を報告すること。
(1) 注入速度および注入圧力
(2) ゲル化時間
(3) 比重
(4) 周辺への影響
(5) その他
4-4-9 注入作業
(1) 注入管設置のための削孔は、孔まがりのないよう所定の深さまで確実に施工すること。ま
た、注入管の深度、孔角度を測定しその記録を報告すること。
(2) 注入中は、常に注入速度、注入圧力、注入時間、グラウト濃度を連続監視すること。また、
自記記録計による測定記録を報告すること。
(3) 注入圧力が急激に変動した場合は、すみやかに注入を中止し、その原因を調査して適切な
処置をすること。また、その状況、原因処置方法について報告すること。
(4) 軌道や構造物等に近接して施工を行う場合は、変状に対する監視を行い、異常が発生した
場合はただちに注入を中止し、その処置について承諾を受けること。
(5) 削孔時に支障物を確認した場合は、その記録を報告すること。
4-4-10 注入材の品質管理
(1) 注入材の品質管理は、表4-3 について行い所定の条件を満足することを確認し、その結
果をすみやかに報告すること。なお、特に指定された場合は圧縮強度試験、または透水試験
を行うこと。
表4-3 品質管理項目
項 目 試 験 回 数
水ガラスの比重、液温測定 現場搬入ごとに1 回
希釈した水ガラス溶液の比重、液
温測定、ゲル化時間の測定
毎日1 回以上(作業開始時1 回を含む)
配合変更の都度
グラウト濃度の測定
グラウト濃度測定装置(付属書4-2)
による連続測定
(2) グラウト濃度管理基準値記録簿(付属書4-3)は注入前に監督員の検印および通し番号の
付与を受けたものを使用し、注入工事後未使用の記録簿も含め、すみやかに監督員の確認を
受けること。
(3) グラウト濃度の管理記録は、グラウト濃度管理日報(付属書4-4)に記入し、報告するこ
と。
4-4-11 注入材の数量管理
(1) 水ガラス、セメント、硬化材等の材料は、その使用数量を確認できる資料を、すみやかに
報告すること。
(2) 注入量を確認できる自記記録計によるチャ-ト紙およびそれに基づく注入量記録資料をす
みやかに報告すること。
(3) 注入記録は、注入材の納入量、使用量、残量、薬液の計画注入量、実注入量等を記載する
こと。
(4) チャート紙は注入前に監督員の検印を受けたものを使用し、途中で切断せずに1 ロール分
の作業終了後、すみやかに監督員の確認(サイン等)を受けること。
(5) あらかじめ監督員に承諾を受けた場合を除き、原則として削孔作業中は自記記録計を停止
させずに流水量、水圧等もチャート紙に記録させること。
(6) あらかじめ監督員に承諾を受けた場合を除き、原則として注入作業中は自記記録計を停止
させずにチャート紙に記録させること。
(7) 受注者(元請、下請)の施工管理者は全孔数のチャート紙に必ずサインすること。
(8) 受注者(元請)の施工管理者はチャート紙を1 ロール単位で管理するものとし、監督員の
確認(サイン等)を受けたチャート紙に注入量等の必要事項を記入し整理のうえ、再報告す
ること。
(9) 圧力流量計は、注入孔ごとに注入が完了した時点で施工年月日、トータル注入量、機械ナ
ンバー等が印字できるものとする。また、一定時間(定時)ごとにチャートの送り速度と注
入量、注入圧のフルスケールが確認できる印字を打てるものとする。
4-4-12 注入効果の確認
施工後、注入効果の確認結果の資料をすみやかに報告すること。なお、注入効果の確認方法
は付属書4-5 により選定し、あらかじめ施工計画書により承諾を受けること。
4-4-13 地下水等の水質検査
地下水や公共用水域等の水質汚濁防止のため次により水質監視を行うこととし、その結果を
すみやかに報告すること。
(1) 地下水の監視は、施工箇所よりおおむね10m 以内の観測井により行うこととし、その設置
位置および採水方法はあらかじめ届出て、承諾を受けること。
(2) 水質検査の採水時期、採水回数は、表4-4 によることを標準とし、自治体等で別途定めら
れている場合はそれによること。
表4-4 採水時期と採水回数
時 期 回 数
注入工事着手前 1 回
注入工事中 毎日1 回以上
注入工事
終了後
2 週間以内
毎日1 回以上
(当該地域における地下水の状況に著しい変化がないと認め
られる場合で、調査回数を減じても監視の目的が十分に達す
ると判断されるとき、ならびに有機物を含まないもので工事
中著しい変化が認められなかったときは週1 回以上)
2 週間を超えて
半年 未満まで
月2 回以上
半年後 1 回
(3) 水質検査の検査項目、検査方法および水質基準は、表4-5 によることを標準とし、自治体
等で別途定められている場合はそれによること。
表4-5 検査項目と水質基準
薬液の種類 検査項目 検査方法 水質基準
水ガラス系
有機物を含まないもの
水素イオン
濃度
水質基準に関する省令の
規定に基づき厚生労働大
臣が定める方法(平成15
年厚生労働省告示第261
号)
水質基準に関する省令
(平成15 年厚生労働省
令第101 号)による
有機物を含むもの
水素イオン
濃度
同上 同上
有機物( 全
有機炭素
(TOC)の量)
同上 同上
(4) 水質検査は、公的機関またはこれと同等の能力および信用を有する機関で行うこと。但し、
注入工事中、注入工事終了後2 週間以内に実施する水素イオン濃度の検査は7 日に1 度の割
合で公的機関等で検査を実施することで、他の検査は現場において実施してもよい。
(5) 検査の結果水質基準に適合しない場合は、直ちに作業を中止し、その処置について届出て
承諾を受けること。
(6) 公共用水域の採水位置、方法については、あらかじめ届出て承諾を受けること。また、そ
の水質検査は、地下水の水質検査と同じ方法により行うこと。
(7) 注入箇所からの湧水、注入機器等の洗浄水等を公共用水域へ排出する場合は、表4-6 に示
す水質検査を行って排出基準に適合したものとすること。また、その検査結果はすみやかに
報告すること。

表4-6 排水基準
薬液の種類 検査項目 検査方法 水質基準
水ガラス系
有機物を含まない
もの
水素イオン濃度
排水基準を定める省
令の規定に基づく環
境大臣が定める排水
基準に係る検定方法
(昭和49 年環境庁告
示第64 号)
排水基準を定める省令
(昭和46 年総理府令第35
号)に定める許容限度に
適合すること
有機物を含むもの
水素イオン濃度 同上 同上
生物化学的酸素
要求量 又は化
学的 酸素要求

同上 同上
4-4-14 施工記録
次の資料を報告すること。
(1)材料品質・数量関係報告資料
(2)注入材料の使用数量記録
(3)チャート紙
(4)現場配合試験結果
(5)現場注入試験記録
(6)ためし注入記録
(7)注入量記録資料
(8)注入材の品質管理記録
(9)グラウト濃度管理基準値記録簿
(10)グラウト濃度管理日報
(11)注入範囲の記録(注入管の深度、孔角度)
(12)注入効果の測定記録
(13)水質検査記録
(14)六価クロム溶出試験記録(必要により)
4-4-15 工事写真
次の項目が確認できる写真を報告すること。
(1) 注入材の入荷、使用量確認状況
(2) 削孔深度、削孔角度確認状況
(3) 流量計の確認状況
(4) 注入効果の確認状況
(5) 水質検査状況
(6) 六価クロム溶出試験状況(必要により)

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